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66話 大神官とアリスの対決

「アリス、コイツを受け取れ」


俺はライジングハーブをアリスに渡した。


「これは……エナドリ?! さっきも飲んでたからもしかしたらと思っていたけど能力が戻ったの?」

「能力は戻っていない。薬草とブタリウスの水魔法で作った新しいエナドリ、ライジングハーブだ。攻撃、防御、速度、回復の全ての能力が上がる効果がある」

「凄いわね。さっそく飲んでみるわよ」


アリスがライジングハーブを飲んだ。


「前と比べて力が控え目に感じるんだけど」

「その通りだ。ライジングハーブは万能だけど、今までのエナドリより純粋な能力は劣るんだ」

「なるほどね。でも元気が出たわよ」

「それは良かった」

「さて、決着をつけますか」


アリスが大神官に杖を向けた。


「何故私に敵対するのだ? その杖は聖女になる為に用意したものだぞ」

「聖女なんかになりたくない! 私はダルマシウス教の神官も辞めるから!」

「どういう事だ? 教義に逆らい聖女を名乗ったのはアリスだろう?」

「えっ、そういえば、そうだったかなぁ~」


アリスが急にオロオロし始める。

忘れていたのか。

エナドリの普及と浴衣の販売の為に勝手に聖女を名乗ったのはアリスだっただろう。

正確言うと俺がやらせたんだけどな。


「アリス、どういう心境の変化があったかわからない。だが、聖女にならないというのであればお前を討たなければならない。私には大神官として、ダルマシニウム神国の指導者して守らなければならないものがあるのだ!」

「聖女にされちゃったら冒険出来ないからイヤです! 神官も辞めるって言ったでしょ!」

「そんなワガママが許されると思うのか? それでも神官か! 神官を辞めるなど許されるはずがないだろう」

「なんだなんだぁ? 足抜けすんのも一苦労ってか? 神官って奴は闇の組織みたいなんだなぁ」

「なんだこの犯罪組織の一味のようなヤツは?」

「私の仲間よ」

「こんな小悪党みたいなヤツが仲間だと。今すぐ関わるのを止めなさいアリス。私たちは神民を導く立場なのですよ。底辺の存在と関わるべきではない」


大神官がフェードを一瞥した。


「フェードは私を助けに来てくれた。仲間を助けるために国家と戦おうとしてくれる人が底辺であるはずがないよ! これ以上仲間を侮辱するなら父さんを倒して出ていくから!」

「出来るものならやってみろ。大神官の力を知らない訳ではあるまい」

「アリス様おやめください。ダルマシウス教の神官であるアリス様なら、大神官の力をご存じでしょ?」


リブドレンがアリスを制止した。


「知っているわよ。だから余裕で勝てるのよ。ラウルなら分かるよね?」


俺にはアリスが何を考えているか分かる。

大神官は力を与えてくれていたアインバダルが滅んだ事を知らないって事だ。

最初は何らかの力でアインバダルが滅んだ事を知った大神官が、アリスを聖女にする事でダルマシウス教復権を狙っているものだと思っていた。

だが、リブドレンとの会話でそうではない事が分かった。

そこにつけ入る隙がある。


「アリス、大神官を倒してギリス王国へ帰ろう」

「しくじんじゃねぇぞ! 派手な親子喧嘩してやんなよ!」

「了解!」

「愚かな。裁きの光よ! 神敵を撃ち抜け!!」


大神官が杖を掲げると無数の光の槍が降り注いだ。

だが、攻撃を予測していたアリスが魔法障壁で全て防いだ。


「なかなかやるな。だが防御魔法と回復魔法しか知らないアリスでは勝てぬよ!」

「防御魔法でもやれる事は沢山あるのよ」

「防戦一方に見えるが?」

「まだまだ余裕があるわよ。今の私はエナドリでパワーアップしているのだから」

「訳の分からない事を!」

「分からせてあげるわよ。それっ!」


アリスの無数の魔法障壁が大神官に突撃した。

大神官がとっさに魔法障壁を展開した。

ガガガガガッ!

魔法障壁同士が衝突して激しい音を立てている。


「魔法障壁をぶつけるだと?! こんな乱暴な魔法の使い方を教えた覚えはない!」

「教わってないわよ。ラウル達と冒険して身に着けた力だから。今度は父さんが防戦一方ね」

「ふん、ちょっと強くなった程度で調子に乗るな。防御魔法で攻撃が出来る事には驚いたが、私を傷つける事は出来ないではないか」

「そうね。でも足を止めたのは失敗ね」


アリスが大神官の両腕と両足を魔法障壁で拘束した。


「これで魔法は使えないでしょ?」

「防御魔法で拘束具を作ったか? 何故これだけ大量の魔法障壁を展開できるのだ?」

「これがラウルのエナドリの力よ。さて、動けなくなったみたいだから通らせてもらうわよ」


アリスが大神官の横を通ってダルマシニウムの出口に向かおうとしたがーー


「これ以上大神官を追い詰めないでください! アリス様は大神官様が神罰級の力を使える事をご存じでしょう! アレを使われたら国が滅びます!」


リブドレンが必至にアリスを止めようとする。

だが、アリスの魔法障壁に阻まれて近づけない。


「もうよいリブドレン。アリス、覚悟は出来ているのだろうな?」

「覚悟なんてないわよ。余裕だから!」

「そうか……それならここで滅びろ! 神罰魔法! ダルマシオン!!」


大神官が叫んだ。

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