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62話 ダルマシニウム侵入

 夜になり、俺たちはドルシーの案内でダルマシニウム郊外の秘密の進入路に来ていた。


「準備はいい?」


 ドルシーが草むらに手を入れている。

 おそらく入口を開けるレバーか何かがあるのだろう。


「問題ない」

「さっさと行こうぜドルシー」

「腕がなるのぉ」

「早く敵と戦いたいものだ」

「分かったわよ。それじゃ開けるね」


 ドルシーが秘密の入口を開けた。


「やるぞリヒト!」

「遅れるなよアルジャーノン!」


 老人二人が先に走って行った。

 大丈夫だろうか?

 ライジングハーブを飲んでいるから普通の神官戦士には負けないとは思うけど……


「アルジャーノンさんとリヒトさんが心配だから私達も行きましょう」

「そうしよう。三戒が出てきたら勝てるか分からないからな」

「それならオレが先きに行くぜぇ。罠の解除も出来ますから」


 フェードが先に入口に入った。

 秘密の通路は暗いのでドルシーが用意していた松明に火をつけた。

 少し進むと破壊された鉄球があった。

 知らないで歩いていたら鉄球が転がってきて潰される罠だったのだろう。

 だが破壊されているのであれば問題は無い。

 更に先に進むと天井から折れた槍が生えていた。

 これもアルジャーノンとリヒトが破壊したのか……

 罠を破壊しながら進んでいるのかあの二人は。

 罠を解除しようと意気込んでいたフェードの出番が無くなったな。

 そのまま秘密の侵入路を抜けると大神殿、ダルマシニウムに無事侵入する事が出来た。

 ダルマシニウムは厳かで美しかった。

 地下でこれだけ綺麗な建築なら、上の本殿はもっと凄いのだろうな。

 ダルマシニウムに参拝する旅行者の気持ちが分かったよ。

 これからここで戦う事になるが、出来るだけ破壊したくないと思ってしまった。

 辺りを見渡すと床に神官戦士が数人倒れていた。

 どうやらアルジャーノンとリヒトは無事に仲間の救出に向かって突き進んでいるんだろう。


「ドルシー、アルジャーノンとリヒトを追ってくれ」

「俺とフェードは先に上に向かう」

「分かったわ。気を付けてねラウル」

「ドルシー、アニキのエナドリ配んの忘れんなよ」

「一人一本配ればいいんでしょ。フェードも頑張ってね」


 ドルシーが地下牢に向かっていった。


「よし、今度こそフェードの勘が頼りだ」

「任せてくだせぇ。オレが敵の居場所を避けて案内しますから。明りを消して行きましょう」


 フェードが階段を駆け上がっていったので、松明を消して後に続いた。

 夜なのでダルマシニウム内は真っ暗だった。

 それでもフェードは迷いなく進んでいく。

 時々明りが見えたが、見回りの神官戦士が手にしている明りなのだろう。

 曖昧な言い方しか出来ないのは、近づかれる前にフェードが上手に避けるからだ。

 暗闇の中を神官戦士に見つからずに進むのは凄い事だ。

 勘とか経験の域を越えている。


「フェード、どうやって進んでいるんだ?」

「勘ですぜ勘」


 フェードは暗闇で的確に進める理由を言わなかった。

 俺はフェードが魔法を使っていると思っている。

 何故かフェードは能力を隠したがる。

 四天王マルリニスとの戦いで、フェードが雷撃魔法とドルミニ帝国の剣技を使える事を知った。

 もう知られているのだから隠す必要はないと思うのだけど……

 フェードが能力を隠す理由が気になったが、教えてはくれなさそうなので黙ってついて行く事にした。


「アニキ、たぶんここですぜ」


 フェードが通路の奥のドアを指差した。


「開けよう。頼めるかフェード」

「大丈夫ですぜ。罠もないし、鍵もかかってねぇから」


 フェードがドアを開けて部屋に入るとーー

 バゴン!

 物凄い音と共にフェードが吹っ飛んできたので慌てて受け止めた。


「何がご安心くださいよ! 結局寝込みを襲おうとしてるじゃない!」


 部屋の中から物凄い形相のアリスが出て来た。

 怒り狂うミノタウロスの様だな……

 レイジング・ミノタウロスのパッケージが恋しくなりそうだ。


「元気そうでなによりだアリス。お陰でフェードがこのざまだ」

「このやろぉ! いてぇじゃないか!」

「ラウルとフェード?! どうして?」

「助けにきたに決まってるだろう」

「さっさと帰るぞ」

「助けに来てくれないと思ってた……私はラウル達に勝手についていってただけだし、そんなに役に立たないし……」

「助けに来てくれないと思ったって事は、助かりたいって事なのだろう。良かったよ。ここの生活が楽しくて聖女になりたいって言われたら迷惑をかけた事になるからな」

「めそめそしてねぇで行くぞ! あのくそったれどもをぶっ飛ばしてな」

「うん。行こうラウル、フェード!」


 アリスが涙を拭いた。


「ドルシーが聖女反対運動グループを率いて下で戦っている。合流するからついてこい」

「ドルシーが?!」

「ダチが張り切ってんだから気合入れろよアリス!」

「そうね。やってやるわよフェード! 私だって黙って捕まっていただけじゃないんだから!」

「その意気だぜぇ」


 アリスが壁にかけてあった豪華な杖を手に取り部屋を出た。

 急いで合流しよう。

 俺のエナドリがあるから簡単にはやられないだろうが、三戒が出てきたら勝てるか分からないからな。

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