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50話 ライトサイド

 ユウマから渡されたのは1本のビンだった。


「ぺプリカ地方でラウル達と別れた後、私はラウルのようになりたいと願った。プレテイアスを倒した君に憧れたからね。だから真似をしてみようと思ったんだ」

「その結果がこれか?」

「そうだよ。私にはエナドリを生み出す力は無い。でも自分の努力でエナドリを作る事なら出来ると思ったんだ」


 俺はユウマからもらったビンを見た。

 ビンには頭が一つしかないケルベロスのイラストが描かれている。


「ユウマ、こいつは俺がペプリカント地方で手下にしたケルベロスか?」

「その通りだよ。このエナドリにはケルベロスの血を配合しているんだ。エナドリを作ろうをしていたら快く協力してくれたんだ」

「そういう事だったのか。ありがとうユウマ。エナドリがあるなら、俺はまだ戦える!」

「愚かですね。貴方がエナドリで強大な力を得られたのは、私が与えたチート能力のお陰でしょ? そんなお手製のエナドリもどきで何が出来ると思ってるの?」


 ダルマシウス神がユウマのエナドリを馬鹿にしている。

 分かっていないな。

 仲間が俺の為に用意してくれたエナドリがなんだ。

 気合入るに決まってるだろ!!


「行くぞユウマ! 飲む、努力、元気爆発だ!」

「共に叫ぼう! 勝利のエナドリの名を!」


 俺とユウマは同時にエナドリを飲み干した。

 そしてーー


「「ライトサイドオオオ!!」」


 俺とユウマの叫びがこだまする。

 ライトサイド……俺が手下にしたケルベロスの名だ。

 このエナドリを表すのに、これ以上の名はないだろう。

 今まで感じた事がない強大な力が体内から湧き上がるのを感じた。

 これならいける!!


「ギリス王は私に任せてくれ! 打ち砕け!! 聖拳ブライアー!!」

「拳で聖剣を受け止められると思うな! 斬り裂け! 聖剣ブライアー!」


 ユウマの聖拳ブライアーとギリス王の聖剣ブライアーの威力は互角。

 勝負を決するのは使い手の技量!


「打ち砕けえええええええ!」

「馬鹿なあああああああああ!」


 ユウマの拳が聖剣ブライアーを破壊してギリス王を吹き飛ばした。


「やっと出会った頃の君に追いつけたかな? 私も君と同じで聖剣ブライアーを破壊出来たよ……」


 ユウマがふらついた。

 力を使い果たしたのだろう。


「後は俺に任せろ! ダルマシウス! お前は俺が倒す!!」


 俺はダルマシウス目掛けて走った。


「無駄な事を! 私の力を忘れたのかな? ほらっ、火球に岩石だよ~」

「ほらっ、防御魔法ですよ~」


 俺を狙った火球と岩石は、全てアリスの防御魔法で弾かれた。


「いつの間に復活したの? しつこい子は嫌いだよ」

「嫌われて光栄ですよ! もうダルマシウス教の神官なんて止めてやる!」

「生意気ですよ。これならどうかな? 貴方の防御魔法では不規則に落ちる雷撃は止められないでしょ」

「オレなら止められるっすよ! アリス!」

「任せたよフェード!」


 アリスが水平に展開した階段状の防御魔法をフェードが駆け上る。

 そして上空に向かってナイフを掲げると、ダルマシウス神が生み出した雷がフェードに落ちた。

 避雷針か?!


「あ~あ、防がれちゃった。でも一匹死んじゃったわよ」

「残念無念。オレは雷撃じゃあ死なねぇんだよ!」

「よくやったアリス、フェード! これで終わりだダルマシウス!」

「私に近づいたところで攻撃が効かなければ意味がないのよ? アインバダルでも私を傷つけられなかったのよ」

「そんなの知らん! くらえ! アルギニィィィィイ!!」


 俺の膝蹴りがダルマシウス神の顔面を捕らえた。


「くっ、私の顔に傷を付けたなああああああ!」

「これで終わると思うな! ガラナックル!!」


 腹部に拳をめり込ませると、ついにダルマシウス神が膝をついた。

 エナドリの有効成分が効いている!

 これならやれる!


「俺に力を与えてくれ! タウリンケージ!!」


 残りの有効成分の全ての力を連鎖させ、俺の最強の技を繰り出してやるのだ!


「悪しき神を打ち砕け! エナドリキィィィィック!!」


 俺の蹴りがダルマシウス神に直撃し、左半身を吹き飛ばした。


「け、蹴りごときで……」

「蹴りで悪を打ち砕くのはヒーローの基本だろ? キックは支配に抗う者の技だ」

「支配に抗うだと……神を失った世界がどうなると思っているのだ……」

「どうにもならないだろ。今までアンタが居なくても何とかなってたんだからさ」

「愚かな……」


 ダルマシウス神が消滅した。

 これで世界が滅ぶことはないだろう。

 急激に力が抜けていった。


「アニキ、大丈夫っすか?」


 フェードが俺を支えてくれた。


「あとはギリス王をシンシア姫に引き渡せば全て解決かな? 私は印象が悪いからラウルに任せるけど」


 ユウマがギリス王を背負ってきた。


「今のユウマならシンシア姫に会っても問題ないさ。いい機会だから汚名返上しておけよ」

「分かったよ。当然ラウルも助けてくれるのだろう?」


 俺は頷いた。


「全部解決出来なかったけど、一度ルイーサスの町に戻った方が良いわね」

「解決しただろアリス?」

「まだアルリディアが目を覚まさないのよ」

「あとはトルディエの野郎がいねぇ! どさくさ紛れに逃げやがた!」


 そうだったな。

 傷ついたアルリディアは意識が戻っていないし、今の俺には癒しのエナドリである白銀滋養霊液を生み出す事は出来ないのだ。

 アリスの言う通り、一度ルイーサスの町に戻るとしよう。

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