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49話 勇者

「女神……いや、本物のダルマシウス神! 世界を滅ぼさせはしない!!」

「どうやって止めるの? 私は強いんだよ。本物の神様だからね」

「決まっているだろ俺が止めるんだよ。コイツを使ってな!」


 俺は荒ぶる力のエナドリ、レイジング・ミノタウロスを生み出す為に右手を突き出した。

 しかし何も起きなかった。

 何故レイジング・ミノタウロスが生み出せないんだ?

 それなら!

 俺は残りの3種類のエナドリを生み出そうとしたが、一つもエナドリを生み出す事が出来なかった。


「どうしたの? 私を止めるんじゃなかったのかな? 早くしないと、そこのお嬢さん達から抹殺するよ~」

「俺に何をした?」

「何もしていないわよ」

「何もしていないなら、何故俺はエナドリを出せなくなったんだ?」

「分からないかなぁ~。君たちの能力は私が与えた物なんだよ。私がチート能力の付与を止めたら何も出来なくなるに決まってるでしょ?」


 そういう事か。

 俺が甘かったな。

 ダルマシウス神に与えられたエナドリの力が、どこまで通用するか分からなかったが、そもそも力を使う事すら許されないとはね。

 でも諦めるという選択肢はない。

 ここで俺が負けたらフェードもアリスも殺されてしまうのだから。

 残念ながら四天王飲みで得た力はアインバダルとの戦いで使い果たしているけど、今までエナドリを飲んで鍛えてきた力は残っているんだ!

 今の俺が出せる最大出力のパワーでダルマシウス神をぶっ飛ばす!!


「吹き飛べ! エナドリアッパー!!」


 俺は拳をダルマシウス神のあごに打ち込んだがビクともしなかった。


「残念! 効きませんでした~。これで終わりだよ」


 バシン!

 ダルマシウス神に手のひらで叩かれて吹き飛ばされた。


「まだだ! まだ力は残っている!」

「そうなの? だったら、もうちょっと頑張ってみてよ」


 ダルマシウス神が手を振り上げると、風が吹き荒び俺の体が浮かび上がった。

 再び手を振ると、今度は火球が飛んできて直撃した。

 岩石に雷……ダルマシウス神が手を振る度に色々な物が飛んできやがる。

 俺は何も出来ず地面に転がった。


「大丈夫ですかアニキ!」

「今すぐ回復するから!」


 フェードがダルマシウスの前に立ち塞がり、アリスが回復魔法で俺を癒してくれた。

 まさかアリスの回復魔法に助けられるとは思わなかったよ。


「無駄だよ。君たちはエナドリがないラウル君より弱いでしょ。アインバダル君が生きていれば私を異界に退ける事が出来たかもしれなかったけど、もう無理なんだよ」

「アニキが頑張ってんだ! 簡単に諦めらんねぇんだよ!」

「私たちが時間を稼ぐから頑張ってよねラウル!」

「面倒だね。パチン!」


 ダルマシウスが両手を合わせるとフェードとアリスが倒れた。

 手のひらの動きに合わせて、左右から見えない力で押しつぶされたようだ。


「大丈夫かフェード! アリス!」


 急いで二人の元に駆け寄った。

 生きてはいたが立ち上がる力はないようだ。


「すんませんアニキ。もう無理っす……」

「私もよ。ラウルだけでも逃げて……」


 ダルマシウス神の圧倒的な力を目の当たりにして、二人共立ち向かう心を折られてしまったようだ。

 俺はまだ抗ってみせる。

 でも、気持ちだけで何とか出来る状況ではないな。


「もう飽きたから消えてもらうよ。早くゴミを消し去りたいからね~」

「そうはさせない!」

「ならラウル、君から消えてもらうよ!」

「それは困るな」


 いるはずが無い人物の声が背後から聞こえたので驚く。


「ユウマ! 何故ここに?」

「ラウルを追いかけてきたからだよ。魔王がいるって聞いてたのに、女神様がいるとは思わなかったよ」

「なんだ。私が選んだ勇者か。もういらないよ。魔王に仕立て上げたアインバダルを弱らせて欲しかったのだけど、代わりにギリス王が役目を果たしてくれたからね」

「その通りだ! 役立たずの勇者め! お前が使えないから、代わりにワシがダルマシウス様の敵を叩きのめしたのだ! 見ろ! 聖剣はワシを選んだのだ!!」


 ギリス王が聖剣ブライアーを掲げた。


「みっともないな。ラウル、私もあんな感じだったのかな?」

「もっと痛いヤツだったよ」

「だろうね」


 ユウマが笑った。


「何がおかしい! お前もそこの小僧と同じで能力を失ったんだ! 勇者としての能力がないお前などワシが叩き潰してやる。ダルマシウス様のお手を煩わす必要はないのだからな」

「勇者としての力ならここにあるさ」

「そんな物はありませんよ。私が降り立った時に、全ての転生者のチート能力を停止しているのですから」

「分かってないな。勇者に必要な力はね、世界中が絶望して諦めている時に立ち向かう勇気なんだよ!」


 ユウマが胸に拳を当てた。


「ガッカリですね。ギリス王、そこのまがい物の勇者を抹殺しなさい」

「承りました。さぁ、死んでもらうぞユウマ!」


 ギリス王が聖剣ブライアーをユウマに向けた。


「助けに来てくれたのは有り難いが、どうするんだ? 正直に言うけど勝てる見込みがないんだ」

「君が教えてくれた勝利の法則に従うだけさ。飲む、努力、元気爆発なんだろ?」


 ユウマがカバンの中から何かを取り出し俺に渡した。

 これは!!

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