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38話 四天王ダルダラントがいねぇ!

 自宅に戻った後、仲間と一緒に旅の準備を進めた。

 もうちょっとだけゆっくりしていたかったが、アルライラ地方には四天王ダルダラントに苦しめられている人々が沢山いるのだ。

 早く助けに行ってあげないとね。

 ダルダラントの毒で弱った人々を救えるのは俺のエナドリだけなのだから。

 旅の準備が出来たので、両親とアゾと一緒に村の入口まできた。


「ラウル、頑張ってこいよ!」

「気を付けてね」

「信じているぞラウル。こんどこそ魔王との因縁に決着をつけてくれ」

「心配ないさ。エナドリを飲んだ俺は最強だからな!」

「オレ様もついてるからなぁ!」

「足りない常識は私が補うのでご安心を」

「さぁ、出発しましょう。色々複雑な思いがあるだろうけど、私はアゾが元気そうで良かったわよ」

「アルリディアさん。ご武運を祈っております」


 アゾが丁寧にお辞儀した。

 鈍い俺でも分かるよ。

 言葉使いが違うからね。

 アゾはアルリディアの事が好きだったんだろうな。

 だから師匠のトルディエを裏切ってでも勇者達に味方したのだろうな。

 それなのに、再会したアルリディアは人類と敵対する魔王配下の四天王になっていたから複雑な気持ちなのだろう。

 二人の関係については俺が口出す事ではないな。


「そろそろ行くぞ」


 俺は仲間と共にネイラシアの村を出て、次の目的地のアルライラの町を目指した。

 途中に現れた魔獣は獣タイプばかりで、知性がある獣人タイプの魔獣は現れなかった。

 野生の動物より少し動きが早くて力が強い程度の獣の魔獣など、アルリディアの魔法なら一瞬で倒せる。

 道中現れた全ての敵は、接近される前にアルリディアが魔法で倒してしまった。

 キャンプ中はブタリウスが運んでいる食料をフェードが調理してくれた。

 疲れた時は俺のエナドリで元気いっぱいだ!

 ーーアリスだけ活躍していない。

 でも活躍しなくてもいいか。

 アリスは俺たちの広告塔みたいな存在だからな。

 困った事があったら神官の地位を利用して一発で解決出来るからな。

 最近ダルマシウス神の総本山の大神殿から警戒されているような気もするけど……

 そんな感じで順調に旅を続けてアルライラの町に辿り着いた。

 町の入口の門は開かれたままだった。

 王国軍から守る必要はないという自信の表れだろうか?

 俺たち5人は警戒しながら町の中を進んだ。


「アリス、上空の防御を頼む」

「矢に警戒しろって事ね。周囲はどうするの?」

「それは私が防ぎますよ」

「アルリディアの姉御が守ってくれんなら安心だなぁ」

「私じゃ安心出来ないって事?」

「当然だろぉ。まぁオレ様なら矢程度ならかすりもしねぇけどな」

「静かに進むぞ。わざわざ居場所を教えてやる必要はないだろ?」

「オッケーアニキ」

「分かったわよ」


 そのまま町の中心まで進んだが、四天王ダルダラントどころか一匹の魔獣も出てこない。

 おかしいな。

 プレテイアスの時の様に、町の中心にきた時点で魔獣に包囲されていると思ったのだがな。

 アレは?

 物陰で何か動くのが見えた。


「フェード!」

「もう飲んでやすぜ!」


 俊敏さを生み出すエナドリ、スピーディー・ケンタウロスを飲んだフェードが動くものを捕まえた。


「アニキ、子供でしたぜ」


 フェードが捕まえたのは少年だった。

 アルライラの住人の生き残りだろうか?


「その子を離せ!」


 ぞろぞろと大人たちが物陰から出て来た。

 ……出て来たと言うより、這いずってきたという方があっている。

 転生前に見たゾンビ映画を思い出すなぁ。


「俺たちは敵ではない。シンシア姫の依頼を受けて四天王ダルダラントを倒しにきたんだ。居場所を知っていたら教えてくれ」

「嘘をつくな! ダルダラントがこの町にいるはずないだろ!」

「そうだ! 王都から来たならダルダラントと遭遇しているはずだ!」

「王都へ進軍したダルダラントと同じ方向からきたのに、居場所を知らないはずがないだろ!」


 何故か住民達が激怒し始めた。

 住民の話しの通りだと、四天王ダルダラントは既に王都へ進軍しているようだ。

 俺達がネイラシアの町に寄っている間に入れ違いになったのだろう。


「ごちゃごちゃうるせぇ! ぶっ殺すぞ!! 黙ってアニキのエナドリを飲めや!」


 フェードが凄んでいるが逆効果だ。

 子供達が泣いているではないか。


「アリス、頼む」

「当然そうなりますよねぇ~。どこかの乱暴者と違って私は世間に認められていますからぁ~」

「なんだと! オレだってやれば出来んだよ! ほらっ飲めや!」


 住民達が後ずさりした。

 このままではダメだなと思ったところでアリスが住民達の前に出て名乗った。


「私はダルマシウス教の神官のアリスです。魔物に虐げられて不安と不信感を植え付けれてきた皆さんが余所者に疑いを持つのは当然です。ですが、一度で良いので私たちを信じて頂けないでしょうか? ここにあるのは毒ですら打ち消す奇跡の飲み物です。皆さんを救えるのはダルマシウス神の奇跡だけです」

「さぁ、受け取って下さい」


 ブタリウスを連れたアルリディアがエナドリを配り始めた。

 大人たちは最初は受け取らなかったが、ブタリウスに興味を持った子供たちが集まってきてエナドリを受け取った。

 一人飲んで元気になれば後は簡単だ。

 エナドリの効果を知った住民達が次々にエナドリ飲んで元気になっていった。

 これで一安心!

 フェードは反省が必要だけどな……

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