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36話 フェードに打ち明ける

 

 村の住民にエナドリを配っていたフェード、アリス、ブタリウスと合流した後、俺の家に向かった。


「ただいま」

「おかえり……かあさん大変だ! ラウルが3人も婚約者を連れて来たぞ!」

「どうしましょ! ラウルはまだ3才なのに!」


 どうなっているのだ?

 いきなり女性を二人も連れて来たからだろうか?

 フェードまで婚約者にされているじゃないか。

 振り返ってフェードの様子を伺ったが、特に嫌がっているようでは無かった。

 アリスは嫌らしい笑みを浮かべていたけどね。

 あとでフェードをからかうのだろうな……


「全員婚約者じゃないよ。冒険者仲間だ」

「アニキの一番弟子のフェードだ。ヨロシクゥ!」

「私はダルマシウス教の神官のアリスです。宜しくお願いします」

「私はアルリディア。そうね、私は商売上のパートナーみたいなものよ。コウチキカ地方のマックス商会の共同出資者なの」

「フェードさんとアリスさんとアルリディアさんですね。私はラウルの父のオリバーです。いつも息子がお世話になっています」

「私はラウルの母のナンナです。よろしくね」


 両親とフェード達が握手を交わした。


「父さん、コイツの部屋を用意して欲しいんだ。仲間のブタリウスだ」

「可愛い豚さんだね。それなら納屋を片づけてくつろげる様にしよう。こっちにおいで」

「ブッ!」


 父がブタリウスを連れて納屋に向かった。


「母さん、今日は全員泊っていくから。アリスとアルリディアに部屋を用意してくれないか?」

「少し窮屈だけど私の部屋で寝れる様にするわよ。でもフェードちゃんはどうするの?」

「気にしなくていいよ。フェードは俺と一緒の部屋でいいから」

「あらぁ~。ラウルはフェードちゃんがお気に入りなのね」

「気に入ってはいるが、言い方が良くないと思うぞ」

「ごめんなさいね。それじゃアリスちゃんとアルリディアさんはこちらへ」


 母がアリスとアルリディアを連れて行った。


「俺の部屋に行くぞフェード」

「了解ですぜ」


 俺はフェードを連れて自室に向かった。


「ここは本当にアニキの部屋っすか?」


 フェードが困惑している。

 困惑するのも当然だろう。

 部屋の中には幼児しか寝れないベッドがあり、17才の青年の部屋とは思えない内装だからな。

 良い機会だ。

 フェードに俺が転生者だって事を話をしておくか。

 ここまで一緒に冒険してきて、フェードが信用出来る奴だと分かったからな。


「本当に俺の部屋だよ。今から話す事は俺と両親しか知らない事だ。他の奴には話をするなよ」

「わ、わかったっす」


 俺は緊張するフェードに前世の話と転生時にエナドリの能力を女神から授かった事を説明した。

 そして本当は3才で、エナドリで急成長したって事もね。

 最初は驚いていたが信じてくれた。


「そういう事だったんすね。アニキに能力を授けたのが、初心者の遺跡の壁画で描かれていた女神だったとは……」

「そうだよ。ダルマシウス神と敵対している様に描かれていた女神から力を授かった。だからダルマシウス教の神官のアリスには教えられないんだ。アリスの事は信用してはいるのだけどね」

「そういう事ならアリスには黙っていやす」

「フェードはダルマシウス教を信じていないのか? ギリス王国の国教なのだろう?」

「あっ、言って無かったっすか? オレはドルミニ帝国出身なんでダルマシウス教を信仰してないんすよ」


 そういえば、アルリディアがフェードの服装を見てドルミニ帝国の最新ファッションだって言っていたな。

 ドルミニ帝国のファッションが好きなだけだと思っていたから、フェードがドルミニ帝国出身だとは思わなかったよ。


「王都を出た事がないって言ってたから、ギリス王国の出身だと思い込んでいたよ」

「ドルミニ帝国から馬車で王都に来てから外に出た事が無かっただけっすよ」

「フェードは仲間を集めて冒険に出ようとは思わなかったのか?」

「一応冒険者登録してみたけどさ、弱っちいヤツしかいなかったから仲間になりたいヤツはいなかっんすよ。それに一応仕事をしなきゃいけなかったんで」

「仕事? 仕事があったのに俺たちと一緒に旅に出ても良かったのか?」

「問題ないっしょ。シンシアが送り出してくれたんだから」


 シンシア姫が送り出してくれた?

 冒険者崩れの盗賊では無いとは気付いていたが、フェードは一体どういう身分なんだ?


「フェードはシンシア姫と面識があったのか?」

「たぶん子供の頃に会ってますぜ。アニキと一緒に王城に行った時に久しぶりに会ったけど、お互い覚えていないくらい関わりが薄いっすけどね」

「子供の頃に会っている? フェードは王族とどういう関係なんだ?」

「それはアニキにも言えないっす」

「そうか。でも何の仕事をしていたかくらいは教えてくれるんだろ?」

「それは知ってるっしょ。一応上級騎士扱いで王都の警備をしていたっすよ。親のコネで使ってもらっていただけだけどね」


 なるほど。

 親のコネで上級騎士()()か。

 正規の手続きで上級騎士になったのではないので、ローレイン達が知らなかったのだな。

 それに上級騎士の給料があったから、王都で高級な宿で泊まれてブタリウスの食費も払えていたのだな。

 いろいろフェードの事が知れて少しスッキリしたよ。

 でもこの事はアリスには言えないな。

 フェードが上級騎士からテイマーに転職した事件を思い出してしまうだろうからな。

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