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32話 予想通り!

 興味本位でギリス王についてシンシア姫に聞いたら、逆に謎が増えてしまった。


「アリスはギリス王がダルマシウス教を排除しようとしている事を知っていたのか?」

「知ってたわよ。だから神官の私が王都に派遣されたのよ。調査のついでに布教しようとしたらフェードに邪魔されちゃったけどね」

「うさんくせぇからだよ! オレはダルマシウス神ってヤツを信じられねぇ」

「堂々と言うなよ。俺だって信じていないけどな」

「失礼ですよ。アリスさんはダルマシウス教の神官なのですから、ダルマシウス教を否定するのは良くないです」


 アルリディアに怒られてしまった。

 でも何故かアリスが怒らない。

 いつもなら一番に怒りだすのにな。


「アルリディア、気にかけてくれてありがとう。でも構わないわよ。信じたくない人にまで布教する気はないから」

「それなら良いのですが……」

「なんだぁ? 腹でも壊したかぁ?」

「何でもないわよ。それより、話しが終わったなら宿に戻りましょ。四天王ダルダラントは毒を使っているのでしょ。アルライラ地方の人々は今までの地方の人々より苦しい思いをしているはずよ」

「そうだな。急いで宿に戻って旅の準備を進めよう。そういう事だから行くぜ。じゃあなシンシア姫、ローレイン」

「ご武運を祈っております」

「朗報を待ってるぞ!」


 俺たちは姫たちに別れを告げ宿に戻った。

 四天王ダルダラントの使う毒がどの様なものか分からない。

 だが癒しのエナドリ、白銀滋養霊液であれば回復できると思う。

 俺は大量の白銀滋養霊液を生み出しブタリウスに装備させた。

 今度の旅ではブタリウスに大活躍してもらうのだ。

 これで準備万端。

 俺は宿でゆっくり休む事にした。

 翌日、さっそくアルライラ地方に旅立つ事にした。

 1時間ほど街道を歩いたところで足元の石を拾った。


「なにしてるんすかアニキ?」

「石なんて拾ってどうするの? まさかコレクションにするなんて言わないわよね?」

「コレクションになんてしないさ。すぐに捨てるからな」

「なら何で拾ったのよ。ますます意味が分からないわよ」

「アニキの事だ。きっとドデカい理由があるに決まってるさ」

「フェードさんはラウルさんを信じているのですね」

「当然だぜ! アルリディアもアニキの考えを信じるんだぞ!」

「はい。そうします」

「そろそろだと思う。投げるぞ!」


 俺が石を投げるとゴツンと大きな音がなった。

 前から歩いて来た老人に直撃したからだ。

 老人が俺たちの目の前で額を抑えてうめいている。

 普通ならこんな酷い事はしない。

 でもコイツはこれぐらいやらないと追い払えない。


「そろそろ出てくると思っていたよトルディエ。サッサと帰れ! 毎回新しい地方に向かう度に出てくるな! もう飽きた!」

「トルディエエエエエエッ! 今度こそ息の根を止めてやんよ!」

「ダルマシウス教の神官として神罰を下します! 悔い改めよ!」

「見つけたわよトルディエ! この命と引き換えてでも、ここでお前を打ち倒す!」

「この先は毒を扱う四天王ダルダラントが支配する地。でも貴様らの方が毒を吐きすぎだああああああ! なんでワシを罵倒するのだ?!」


 同感だよ。

 なんでトルディエは嫌われているのかな。

 仲間の3人が同時に殺意をみなぎらせるとは思わなかったよ。

 ……3人?!

 元々トルディエを嫌っていたフェードとアリスだけでなく、アルリディアがトルディエに殺意を向けているのは何故だ?


「どうしたアルリディア?」

「ど、どうしちまったんだ?」

「えっ?!」


 俺が声をかけた事で、フェードとアリスもアルリディアの様子がおかしい事に気が付いたようだ。


「アルリディアだと?! 何故四天王がここにいる?!」


 トルディエが狼狽えている。


「それは貴方を殺す為ですよ!」


 アルリディアが手を振り上げると、トルディエの足元から氷の柱が出現した。

 トルディエが魔法障壁を展開して氷の柱を防いで空中に逃げた。


「逃がしません! 貫けえええええええっ!」


 アルリディアがトルディエに手を向けると、虚空から現れた無数の氷の槍がトルディエを襲った。

 数発だけなら魔法障壁で防ぎ切れただろう。

 だが無数の氷の槍によって次第に魔法障壁が削りとられ、氷の槍がトルディエを傷つけ始めた。

 アルリディアがこんなに強いとは思わなかった。

 マックスは商売対決だから負けたって思っていたけど、普通に戦っていたら殺されていたかもしれないな。


「おのれぇ……デュアッ!」


 トルディエが奇妙な掛け声と共に炎の玉を生み出した。


「その程度の火力で私の氷を打ち破れるはずがないでしょ! 舐めないで!」


 アルリディアは攻撃の手を止めなかった。

 次々にトルディエが生み出した炎の玉に氷の槍が突き刺さっていく。

 炎の玉によって溶かされた氷の槍が蒸発して水蒸気が立ち上る。

 トルディエは火力が劣る火炎魔法で、どうやって反撃するつもりなのだろう?

 ……そういう事か!


「アルリディア! トルディエは水蒸気を目くらましにして逃げるつもりだ!」

「逃がさないわよ!」


 アルリディアが水蒸気の中に突撃していった。

 俺はアルリディアを追いかけない事にした。

 追いかけたい気持ちはあったが、アルライラ地方を救う方が先決だからだ。

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