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25話 四天王アルリディア

「アニキ、服を買ってきやしたぜ」


 フェードが買って来た服をマックスに渡した。


「こ、これをワシに着ろというのか?」


 マックスが困惑している。

 手渡された服が良く分からない棘だらけだったからだ。

 上質なレザーを使用しているから高級品なのだとは思うけど……


「どうしたんすか? オレのお気に入りの店の最新作ですぜ」

「マックス……覚悟を決めろ」

「本当にこれを着ても大丈夫なのか?」

「裸よりマシだと思ってくれ」

「分かった」


 マックスがフェードが買って来た服を着た。


「これでお揃いっすね。アニキも必要だったら言ってくれよな。いつでも用意しますぜ」

「そのときが来たら頼む」

「その時ですか……楽しみにしてるっすよ」


 フェードは期待しているが、そんな時は永遠に来ないだろう。

 これで全裸のマックスから山賊のマックスに転職だ!

 服のセンスは悪いが、裸でないならアリスも話が出来るだろう。


「アリスと一緒に作戦会議をしよう」


 俺たちはアリスが借りている部屋に向かった。


「アリスいるか?」

「いるわよ」

「マックスに服を着せたからアルリディアと戦う為の話し合いをしたい。部屋に入っても構わないか?」

「裸じゃないなら大丈夫よ。どうぞ」


 俺は扉を開け、マックスとフェードを先に入室させた。


「山賊?!」

「待て! ワシは冒険者のマックスだ! 敵ではない!」


 入室するとマックスがアリスに攻撃されそうだった。


「落ち着けアリス。こいつは冒険者のマックスだ」

「どういう事なの? 説明してよ」

「分かった」


 俺はマックスから聞いたアルリディアの事を説明した。

 マックスの服装についてはフェードの趣味だって事しか言えなかったけどな。


「そういう事だったね。変態賢者の言っていた事が理解出来たわよ。勇者であっても倒す事は出来ないって本当の事だったのね」

「その通りだと思う。勇者以外の転生者であってもアルリディアを倒すのはムリだろう。正確に言うと、倒す事は出来ても民衆から恨まれるって事だけどね」

「その通りじゃ。アルリディアを倒すだけであったらワシだけで十分だったのだからな。ワシはローレインに頼んで凄腕の商人を派遣してもらうしかないと思うぞ」

「どうするんすかアニキ?」

「アルリディアと戦うだけだよ」

「どうやって戦うの?」

「ワシらで商売でもしようってって事か?」

「ごちゃごちゃうるせぇよ。アニキは民衆に恨まれる事なんて気にせず、一撃でアルリディアを倒すんだよ!」

「物騒な事を言うなよ。まずはアルリディアに会ってみよう。商売上手って事は分かったけどさ、具体的に何をやっているのか分からなかったら戦いようがないからな」

「分かったわよ。ラウルを信じるからね」

「オレは最初からアニキを信じているぜ」

「本当に大丈夫なのか?」


 フェードとアリスは俺を信じてくれているが、出会ったばかりのマックスは俺を信じきれないようだ。

 簡単に信じてもらえない事は分かるよ。

 商売は勇者や冒険者の主戦場ではない。

 英雄より賢いヤツが勝つ戦場だ。

 それでも俺には勝算がある。


「一つだけ言えるのは、エナドリは誰かを傷つけるだけのものではないって事さ」

「良く分からんが、ワシにはお主らを信じる事しかできぬ。ただし、ワシの様にはなるなよ。借金を背負う前に逃げるのだぞ」

「大丈夫だ。俺を信じろ!」

「もちろんですぜアニキ!」

「それなら旅の準備をしましょう。食料を買っておきたいからね」

「ワシが荷物持ちを担当しよう。それくらいは役に立ちたいからな」

「結構です!」


 アリスがマックスの申し出を断った。

 同じ服装でもフェードならギリギリ許容範囲だったみたいだけど、山賊の様な姿のマックスと一緒に歩きたくはないのだろう。

 今回は買い出しをアリスに任せて、俺たちは宿で休む事にした。

 さすがに3人だと部屋が狭いので、マックスの為に別の部屋を借りた。


 翌日、俺たち4人とブタリウスはコウアリアの町から旅だった。

 目的地はコウチキカ地方の中心都市、コウチキカの町だ。

 旅の途中、山賊と間違われて街道で出会った冒険者達から威嚇されたりしたけど、無事にコウチキカの町に辿り着いた。

 町についてすぐアルリディア商会に案内してもらった。

 早く四天王のアルリディアに会いたかったからね。

 マックスがアルリディア商会の本店に入ると、警備をしていた人達が剣を抜いた。

 なんだ、戦って良いなら簡単に解決出来るではないか。


「剣を収めなさい! お客様に失礼でしょ!」


 目つきが鋭い美人のお姉さんが警備員を制止した。

 誰だ?

 警備員に指示を出すって事は偉い人だとは思うけど。


「アルリディア様?! 強盗の襲撃を受けているのですよ!」

「この方たちは強盗ではありません。身なりだけでお客様を判断しては、店の品格が疑われてしまいます」

「ですが……」


 この女性が四天王アルリディアだったのか。

 普通の人間にしか見えないじゃないか。

 プレテイアスが魔獣だったから、アルリディも魔獣だと思っていたよ!

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