24話 マックスを探せ!
ブタリウスを馬小屋にあずけたフェードが戻って来たので、マイティ・サイクロプスを渡した。
これでアルリディア対策は完了だ。
今日は休んで、明日からマックスの情報を集める様にしよう。
翌日、俺たちは朝食をとった後に冒険者ギルドに向かった。
手っ取り早く情報を集めるのには都合が良いからだ。
ギルドに入って直ぐ受付カウンターに向かった。
「マックスという名の冒険者を捜している。知っていたら教えてもらえないか?」
「マックスですか。半裸のマックスを捜しているなんて奇特な人ですね。彼なら後ろのテーブルにいますよ」
ギルドの職員が俺の後ろを指差したが俺は振り返らない。
本当に半裸のおっさんがいたら嫌だからな。
「人違いじゃないかな。俺達が捜しているのは剛腕のマックスだ」
「アニキに近づくんじぇねぇよ! この変態!!」
「フェードに任せるわよ。私は見ないから!」
アリスは無視をするみたいだが、俺まで目を反らすわけにはいかないだろう。
振り替えると、パンツ一丁のムキムキのオッサンがいた。
半裸どころか、ほぼ全裸じゃねぇか!
「油断するなフェード! コイツは俺がやる!」
「オレだってやれますぜ! アニキから授かった力があるんだよ!」
「行くぞフェード! 俺たちの力でコウアリアの町を救うんだああああ!」
「待て、待て! ワシが剛腕のマックスだ! お前さん達が捜しているって聞こえたから話しかけようと思っただけなのに……」
目の前の変質者が剛腕のマックスだって?
マックスは2メートルを越える斧を振り回す、ローレインに匹敵する凄腕の冒険者では無かったのか?
なんでパンツ一丁なんだ?!
「アンタが剛腕のマックスだったら斧はどうした? 凄腕の冒険者であれば、敵地で武器を手放す事はない。パンツ一丁でくつろいでいるって事は、アルリディアの信者なのだろう?」
「違っ……てはいないが……その通りでもないような……」
「ハッキリ言えや!」
「ひやっ!」
フェードがナイフを押し付けると自称マックスが変な声を出した。
何かに怯えている様にもみえるな。
もしかして、ここでは話せないという事か。
「なぁ、コイツを連れて行っても構わないか?」
「構いませんよ。邪魔でしたので」
ギルド職員の許可を得たので、自称マックスを連れてギルドを出た。
宿であれば他人を気にせずに話が出来るだろう。
アリスは情報を集めると言って一人で行ってしまったので、俺とフェードは自称マックスを連れて宿に戻り床に座らせた。
「もしかして、君たちは元相棒のローレインから頼まれて助けに来てくれたのか?」
「もしかして本当に剛腕のマックスなのか?」
「そうだよ。今は半裸のマックスと呼ばれておるけどな」
「なんでそんな姿でギルドにいたんだ?」
「それは四天王アルリディアに敗北したからだ」
「そんなに強いのかアルリディアは?」
「あぁ、ワシでは歯が立たなかったよ……」
剛腕のマックスが今まで起きた事について教えてくれた。
ローレインが得た情報を元にコウチキカ地方に向かったマックスは、コウチキカの町中でアルリディアと対面したのだ。
好機と思ったマックスは多くの魔獣を葬ってきた魔法斧でアルリディアを倒そうとしたが、助けようとしたハズの住民達に阻止されたのだ。
何故住民がアルリディアを庇うのか不思議に思ったので情報を集めたら、アルリディアがコウチキカの町で商会を開いて商売をしている事が分かった。
アルリディアは住民に危害を与える事はなく、逆に商売を通じて利益を生み出している。
アルリディア商会で働いている住民も多い。
武力でアルリディアを排除しようとすれば、コウチキカ地方が王都に反旗を翻すかもしれない。
そう思ったマックスは商売で対抗しようと思ったのだが……商才が全くなかった。
結局多額の借金をしてしまい、返済の為に魔法斧を売り払う事になった。
追い詰められたマックスは、服を売ったお金でローレインに救援の手紙を送ったのだ。
そして半裸のマックスという不名誉な名前で呼ばれながら、冒険者ギルドでローレインが派遣するであろう冒険者を待っていたのだ。
なんて事だ……王都でフェードが言ってた通りだった……。
まさか、本当に商売が得意な四天王がいるとは思わなかったよ。
隣のフェードが得意げな顔をしている。
「分かったよ。アンタが本当に剛腕のマックスだって信じるよ。フェード、服を買ってきてやってくれ。パンツ一丁の男を連れ歩くのはキツイからな」
「任せてくれや。アニキの隣を歩いても恥ずかしくない服装を入手してきますぜ」
フェードが部屋から出て行った。
「ところで君たちは商売が得意なのか?」
「商売をした事はないな」
「なんだと! ローレインの奴は何を考えているんだ! 商売で苦戦しているから救援を依頼したのだぞ!」
マックスが突然怒りだした。
「手紙にはなんて書いたんだ?」
「稼げる奴を派遣してくれだ! とにかく稼げる奴が必要なんだって訴えかけたんだ!」
マックスへ返答する言葉が思い浮かばなかった。
冒険者のローレインに稼げる奴を派遣してくれって言ったら、冒険者として稼げる人を派遣するだろうよ。
ローレインは悪くない、マックスの説明が足りないだけだ。
マックスがアルリディアに商売で負けた理由が良く分かったよ……




