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21話 上級騎士じゃなかった?!

 冒険者ギルドを出て王城に向かうと応接室に案内された。

 10分くらい待っていると、ギリス王国ナンバーワン冒険者のローレインとシンシア姫が入室してきた。


「待たせてしまったね。申し訳ない」


 ローレインが頭を下げた。


「気にするな。少し休めて良かったよ」

「もしかして疲れているのかい? お連れの方は大分弱っている様にみえるけど」


 ローレインの視線の先にはアリスがいた。

 放心状態で椅子にもたれ掛かっている姿を見たら弱っている様に見えるよな。

 本当は弱っているのではなく、フェードが上級騎士からテイマーになってしまった事がショックなだけなんだけどな。


「アリスの事は気にしないでくれ。少し休んだら元気になるさ」

「そういう事ならゆっくり休んでくれ。何か必要なものがあった遠慮なく言ってくれ。君たちには恩返ししたいからね」


 恩返しって言われても、今は四天王の情報以外に欲しいものが無いんだよね。

 ……そうだ!

 フェードが本当に上級騎士だったのか教えてもおう!

 上級騎士なら王城に出入りしていた可能性が高いから、シンシア姫なら面識があるかもしれない。


「シンシア姫、フェードが上級騎士って知ってたか?」

「ア、アニキ! 姫に対して失礼ですぜ!」


 フェードが珍しく俺を止めようとする。

 そんなに素性を知られたくないのだろうか?


「こちらの方は?」


 シンシア姫が不思議そうな顔でフェード……ではなく隣のブタリウスを見ていた。

 しまった!

 ブタリウス連れてきちゃったよ!

 冒険者ギルドならテイマーって言った誤魔化せるけど、王城まで連れてきたらまずいだろ?

 何で素通り出来たんだよ。

 仕事をしろよ衛兵!


「えっと……そいつはブタリウスだ。俺が知りたいのは隣の頭がとんがっている方が上級騎士かどうかだ……」

「ブタリウスさんっていうのですね。宜しくね」

「ブッブッ」


 ブタリウスが挨拶をしたシンシア姫に返答した?

 不思議な光景だな。

 王城の応接室で姫がブタリウスを撫でてるよ。


「ところで姫。ラウル殿の話の通り、フェード殿は上級騎士なのでしょうか? 私は何度も王城に来たことがありますけど、一度もお見かけした事はないのですが……」


 ローレインが姫に問いかけた。


「どこかで拝見した事があるような気がするけど……もしかして……そういう事なのかしら?」

「余計な事を言うんじゃ……」


 俺はシンシア姫に向かって叫んだフェードの口を塞いだ。


「むごっむむっ」

「姫に教えてもらえるまで静かにしてもらうよ」


 フェードが暴れているが俺の力の方が上だ。

 逃げられはしないさ。


「私が知っている上級騎の中にフェードという名前の騎士はおりませんよ」

「本当か? フェードが偽名で、別の名前でなら知っているって事はないのか?」

「数年前から騎士になった男性の実力を知る為にローレインが模擬戦を行っております。私は毎回必ず見学しているのだけど、フェードさんをお見かけした事はありません。ローレインはフェードさんと模擬戦をした記憶がありますか?」

「ないですね。それならラウル殿の情報が間違っているのかな?」

「そうだと思いますよ」


 シンシア姫がフェードに笑顔を向けている。

 なにか面白い事でもあったのか?

 良く分からないが、これ以上フェードを拘束しておく必要がないので開放した。


「ひでぇよアニキ! 苦しかったじぇねぇか!」

「酷くなああああい!」


 アリスが急に復活した。

 フェードが上級騎士ではないと分かって、特権を失う失態をしていなかったと分かったからだろう。


「うっるせえよアリス!」

「黙る事ね! フェードが上級騎士じゃないなら私の作戦が正しかったって事よね? ラウルは認めるよね?」

「どうでも良いかな。それよりローレインの用件はなんだ?」

「私の話は終わって無いわよ!」


 アリスが文句を言っているが、俺は無視してローレインの話を聞く事にした。


「ラウル殿に西のコウチキカ地方に行って欲しいんだ」

「何でだ? 四天王がいるのか?」

「そうだよ。コウチキカ地方に四天王が現れたんだ。それで仲間のマックスを派遣したんだが苦戦しているみたいでね。アイツは俺に匹敵する強さの冒険者だ。それなのに四天王の手下程度相手に苦戦する姿が想像出来ない」

「それで四天王の一人を倒した俺に助けて欲しいて事なのか?」

「そういう事になる。勇者に頼れない以上、君の力を借りるしかない」

「それは違うよローレイン」


 俺はペプリカント地方での出来事をローレインに説明した。

 今のユウマは王都で偉そうにしていた頃とは違っている。

 アイツは本当の勇者になる男なんだ。


「……信じられないな。でもラウル殿が言うなら本当なのだろう」

「人は変われるんだよ。エナドリ飲んで頑張ればね。飲み過ぎには注意が必要だけどね」

「そういうものなのか」

「ローレインも飲んでみろよ」


 俺はマイティ・サイクロプスをローレインに渡した。


「ありがとう。仕事する時に飲んでみるよ」

「それじゃ、コウチキカ地方に行ってみるよ。面白そうだからな。おいっ! いつまで喧嘩してんだよ。行くぞフェード、アリス」


 俺はフェードとアリスを連れて宿に戻る事にした。

 次の目的地は西のコウチキカ地方。

 どんな敵が待ち受けているのかな?

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