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20話 テイマーになる

 復興で忙しいペプリカントの町では、プレテイアス以外の四天王の情報は得られなかった。

 田畑と森林が多いペプリカント地方は遺跡もない。

 他に冒険するところがないから、一旦王都に戻る事にした。

 俺はフェード、アリス、ブタリウスと一緒にノンビリ王都に向かった。

 無事に王都についたあと、直ぐに冒険者ギルドにむかった。

 扉を開けてギルドに入ると、中にいた冒険者達が一斉にこちらを見てきた。


「なんだでめぇら! 見てんじゃねぇよ!」


 フェードが威嚇したら冒険者たちは目を反らした。

 何だったのだろう?

 冒険者達はブタリウスを見ていたような気がするけど。

 少し気になったが、ギルド職員のいるカウンターへ向かった。


「あの……ギルド内で動物を連れ歩くのは禁止されているのですが……」


 ギルド職員に言われて冒険者達が注目していた理由が分かった。

 ブタリウスを連れているのがギルドの規約違反だったからなのだな。


「動物なんていねぇだろ! なに因縁つけてんだよ!」

「でも豚を連れてますよね?」


 ギルド職員がブタリウスを指差さした。


「なに指差してんだよ! ブタリウスに失礼だろうが! 謝れやコラァ!」

「暴言は謹んで頂けますか? 規約違反で追い出しますよ」

「オレの仲間に暴言吐いてんのはテメェだろうがぁ!」


 フェードとギルド職員が揉めるのを止めない。

 周囲の冒険者達も何か起きたら戦えるように武器に手をかけている。

 ここは出直した方が良いだろうか?

 戦いになっても、この場の全ての相手を退ける事は出来る。

 でもそんな横暴な事はしたくはない。


「テイマーなんだから魔獣を連れていても変じゃないでしょ?」


 突然アリスが変な事を言い出した。

 テイマー? 誰が?


「テイマーであれば一体であれば魔獣を連れていても問題ないですが……豚ですよね?」

「ブタリウスって種族の魔獣なんですよ」

「ブタリウスですか? ギルドの情報にはないですけど……」

「勝手にブタリウスを魔獣にすんなよ!」

「フェード、ここはアリスに任せよう」

「分かりやしたよ。アニキが任せたんだから、しくじんなよアリス」


 アリスが頷いた。

 ここは俺たちの中で一番常識人のアリスを信じるしかない。


「ギルドに情報がなくてもブタリウスは魔獣で、このフェードが主人のテイマーだから。登録を書き換えてもらえるかしら?」

「それは出来かねます。虚偽の登録は出来ないので」

「何がダメなの?」

「魔獣でないものを連れているのにテイマーとして登録する事は出来ません」

「魔獣だって言ってるでしょ。ダルマシウス教の神官である私がね。信じていないの?」


 ギルド職員が黙った。

 なかなかやるじゃないかアリス。

 この状況で信じていないと言えば、アリスを信じていないという意味ではなく、ダルマシウス教を信じていないという意味でとらえられる可能性がある。

 ギルド職員も迂闊に返答出来ないだろう。


「……分かりました。それではフェードさんの冒険者登録の内容を変更致しますね」

「フェード、話の流れで登録がテイマーになっちゃうけど大丈夫だよね?」

「問題ねぇよアリス。ブタリウスが認めてもらえんならさ」

「よくやったアリス。助かったよ」

「私の凄さが分かったみたいね。もっと私に感謝する事ね」

「登録の変更が完了致しました。本日からフェード様は上級騎士からテイマーに変更になります。上級騎士としての特権は無くなるのでご注意願います」


 ギルド職員が言った事に耳を疑う。

 フェードが上級騎士?!

 盗賊じゃないのか?

 隣を見るとアリスが固まっていた。

 どうやらアリスも知らなかったようだな。


「どうしたんすかアニキ? アリスも何で固まってんだ?」

「ききき騎士ってどういう事? しかも上級騎士って国から認められるような戦功を上げるか、貴族しかなれないものなのよ!」

「フェードは知っていたのか?」

「知らなかったっすよ。冒険者登録は……知り合いに任せたから」

「だったら何でそんなに冷静でいられるのよ! 上級騎士の特権無くなっちゃったのよ!」

「別にそんなの使った事ねぇし、オレには関係ぇねぇよ」

「フェードが気にしてないなら、別にいいんじゃないか?」

「そんな訳ないでしょ! 事前に知ってたら上級騎士の特権で対応出来たじゃないの!」

「気にすんなよそんな事。堂々とブタリウスを連れて歩けりゃ問題ないだろ?」

「そうだな。エナドリやるから落ち着けよ」

「要らないわよ!」

「皆さんがティーパーティーですかな?」


 突然初老の男性が話しかけて来た。

 服装がギルド職員と一緒なのでギルドの関係者なのだろう。


「一応ティーパーティーを名乗っている事になっている」

「不思議な言い回しをしてますな。私はギルドマスターのケインと申します」


 俺はケインと握手した。


「ギルドマスターが俺に何の用事だ?」

「ローレインの伝言を伝えたいだけだよ。話があるから王城に来て欲しいそうだ」

「あとで行ってみるよ。ところで四天王の情報はあるか?」

「残念ながら無いですな。でもローレインなら四天王の情報を知っているだろうね」

「なるほど。教えてくれてありがとう。さて、王城へ行こうか」


 俺は王城へ向かう事にした。

 アリスはフェードが上級騎士の特権を失ったショックから立ち直っていないようだ。

 もともと特権など利用していなかったから何も変わらないのにな。

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