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13話 ダルダルシア防衛戦

 大量のエナドリを作り出した翌日、宿で朝食をとりながらアリスに作戦を伝えた。


「はぁ?! なんで私がそんな事をしないといけないのよ!」


 俺の作戦を聞いたアリスが大声を出して立ちあがった。

 そんなに変な事を言っただろうか?

 完璧な作戦だと思うのだけど……

 俺が立てた作戦は単純なものだ。

 エナドリをダルマシウス教の秘薬として町の住民に配布するってだけだからな。

 俺が用意した原稿通りに話せば良いだけだからアリスの負担はないと思ったのだけどね。


「アリス、他の客に迷惑がかかるから座ってくれ。俺としては不本意だが、ダルマシウス教の秘薬としてエナドリを配布すれば全員が納得してエナドリを使ってくれるだろ?」

「そ、それは分かるわよ。でもね、エナドリをダルマシウス教の秘薬とするなんて、ダルマシウス神に対しての冒涜よ!」

「そんなん知るかよ! アニキが仕事を任せてんだ! いうこと聞けやコラ!」

「アリスはダルダルシアの町の住民を見捨てるのか? エナドリの力が無ければ町は魔獣の群れに蹂躙されるだろうな。アリスのせいで魔獣のエサになるなんて可哀そうだよな」

「何で私のせいになるのよ!」

「アリスがやらねぇからだろ!」

「責務を果たせアリス。ダルマシウス教の神官としてのな」

「分かったわよ! やればいいんでしょ! 後で大神官様に処分されてもしらないからね!」


 やれやれ、やっとアリスが納得してくれたか。

 これで作戦を実行出来る。

 食事後、騎士のゲンジロウにお願いして広場に町の住民を集めてもらった。

 そしてアリスが皆の前に立ち説明を始めた。


「私はダルマシウス教の神官のアリスです。ダルマシウス教は皆さんを救う為の支援物資として秘薬を用意しました。この青い容器の秘薬が体が頑丈になる秘薬です。魔獣と戦う直前に飲んで下さい。銀色の容器の秘薬は回復薬です。ケガをしたら飲んでください。全員分あるので順番に持って行って下さい」

「さぁ、持ってけよ。ほらぁ!」


 俺とフェードはタフな一日を過ごせるマイティ・サイクロプスと疲労完全回復の白銀滋養霊液を町の住民に配った。

 荒ぶるイカレ騎士のゲンジロウだけには荒ぶるエナドリ、レイジング・ミノタウロスを渡した。

 絶対防衛作戦を無視して特攻しそうだからね。

 フェードには戦場を駆け回って皆を守って欲しかったので、俊敏な動きが出来るスピーディー・ケンタウロスを渡した。

 これで戦う準備は完了だ。

 俺たちはゲンジロウさん達8人の騎士と一緒に南門に向かった。

 既に魔獣の群れは目視で見える距離まで迫ってきている。

 出来るだけ住民達には戦って欲しくはない。

 ここで食い止めてみせないとね。


「ごくごく……ぽげゃろおおおっ! けええええっ!」


 レイジング・ミノタウロスを一気飲みしたゲンジロウが奇声を上げながら魔獣の群れに突っ込んでいった。

 ゲンジロウ以外の騎士たちはマイティ・サイクロプスを飲んだ後、南門周辺に立ち守りを固めた。


「防衛は任せたぞフェード!」

「任せてくだせぇアニキ!」


 俺は南門の守りをフェードに任せてゲンジロウの後を追いながらスピーディー・ケンタウロスを飲んだ。

 敵の魔獣の大半は狼や犬のような見た目をしている。

 動物とおなじであれば、この魔獣の群れを率いているのも狼系の魔獣だろう。

 魔獣の群れの中心でゲンジロウが両手に持った剣を振り回しながら魔獣たちを蹴散らしている。

 俺はゲンジロウが倒し漏らした敵を俊敏に動いて蹴り倒す。

 さすがに1万の軍勢は多すぎる。

 かなりの数の魔獣が南門に向かってしまった。

 このままでは防衛失敗だ。


「ゲンジロウ! 魔獣の群れを率いる相手を倒すぞ!」

「まかせぉおおお! きょえええっ! 私が道を切り開くぅううう!」


 魔獣の群れをかき分けてゲンジロウが突撃したので、俺は後ろから追いかけた。


「ぽげぇえ! なんだコイツはぁああ?!」


 魔物群れを蹴散らしていたゲンジロウが突然吹き飛ばされた。

 やったのは三つ首の魔獣……ケルベロスだ!

 レイジング・ミノタウロスを飲んだゲンジロウを吹き飛ばせるのは凄い力だな。

 俺の2倍の高さの巨体をしているだけはある。


「コイツは俺が倒す。ゲンジロウは他の奴を倒してくれ!」

「まかせろおおおおお!」


 俺は白銀滋養霊液を取り出しゲンジロウに渡した。

 さて、コイツを倒すにはパワーが必要だ。

 出番だ! レイジング・ミノタウロス!

 俺はエナドリを一気飲みした。

 一気に力がみなぎる。

 ゴガァ!

 ケルベロスが吹いた炎をかわして足元に接近した。

 そしてスネを蹴り飛ばす!

 ギャン!

 鳴いて口を開いたら炎は吐けなくなるぞ!

 俺は飛び上がってケルベロスの頭を殴りつけた。

 真ん中の頭がつぶれてケルベロスが吹き飛んだ。

 さて、次はどうする?

 反撃に備えて構えたが、ケルベロスは俺に背中を向けて走り出した。

 えっ、逃げた?!

 追いかけようか……いや、それより味方を守る方が大事だ。

 群れを率いていたケルベロスが逃走した事で魔獣の群れは散り散りになったが、まだ町を攻撃しようとしている魔獣もいるのだ。

 俺は南門の方に戻った。

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