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117話 レイリックとの対決

「フェード、アリス!」

「分かってるわよラウル! もう一度あの男を拘束するから!」

「へっ、そういうこった。わざわざやられに来てくれてありがとよ、筋肉のおっさん」

「舐めるな! 戦い方が分かっていれば俺だって!」

「今は油断していない! 簡単にやられはしないぞ!」

「待て! 連携して戦うのだ!」


 レイリックが止めたが、配下のボブとラスティンは一対一で戦いを初めてしまった。

 好都合だな。

 個人の能力でフェードとアリスを超える事は出来ない。

 それは俺も同じ。

 レイリック相手に負けはしないだろう。


「どうやら部下はお前を守らないようだな」

「構わない。私一人でもお前を倒して王を討つ!」

「諦めろ。俺は強い」

「私だってギルドマスターになる前は最高位の冒険者だったのだ! 簡単に勝てると思うなよ!」


 レイリックが剣を振り下ろした。

 ただの鋼の剣程度、俺の拳なら砕ける!


「砕け散れ! エナドリ・アッパー!」


 俺の拳が剣に触れたが砕ける事はなかった。

 レイリックの剣には俺の拳の威力を受け止めるだけの強度はないから、とっさに衝撃を逸らしたのだろう。

 なるほど、言葉通り弱くはないか。

 普通は拳で剣を折れるとは思わないから簡単に剣をへし折れるのだけどな。

 だが驚いてはくれているようだ。


「なんだ?! 素手なのに何故それだけの威力が出せる? 魔法で拳を強化しているのか?」

「エナドリを飲んで鍛えた拳は鋼の強度を超えるだけだ」

「そんな事で武器の威力を超えられるなら苦労はしない。どういう原理か分からないが威力を上げれば対処出来るか? これでどうだ?」


 レイリックの剣が青白い光に包まれた。

 魔法の力で強化したようだな。

 どこまで威力が上がったか確かめてやろう!

 俺の拳とレイリックの剣が激突する。

 なかなかやるじゃないか。

 レイリックは俺と互角の戦いが出来ている。


「これで互角のようだな」

「それはどうかな?」


 レイリックが余裕を見せて隙が出来たので蹴りを放った。

 俺の蹴りがレイリックの腹部に当たり、プレートアーマーが砕け散った。


「ぐはっ! ばかな!」


 レイリックが倒れ込んだ。


「残念だったな。俺は両拳と両足でお前の剣技と同等以上の威力をだせるんだ。どうする? 4倍の戦力は覆せないと思うが?」

「まだだ! まだやられるわけにはいかんのだ!」


 レイリックが立ち上がった。


「すみません。負けてしまいました」

「くそぉ! なんで勝てないんだ!」


 ボブとラスティンが敗北を告げた。

 レイリックの名を呼ばずに。

 やはりな。

 こいつらのリーダーのエリックはマーティン将軍が俺たちとレイリックを殺せと命じたと言って死んだ。

 そう、マーティン将軍だけでなくレイリックの名前を言っていたのだ。

 俺たちを襲うように命じたのはマーティン将軍ではなく、レイリックだったのだな。


「レイリック、こいつらがお前の名を呼ばないのは、呼べば死ぬからなのだな」

「その通りだ。だが呼ばなければ問題ない」

「そういう問題ではない。口封じのために残酷な事をするじゃないか」

「仕方がなかったのだ! こうする以外に選択肢はなかった!」

「言い訳するな!」


 レイリックをぶっ飛ばそうと拳を振るったが、突然目の前に現れた別の何かに当たった。


「ぬおおおおっ!」


 俺の拳を受けた男が気合いで耐えた。

 レイリックを庇った男を知っている。

 マーティン将軍だった。


「マーティン! なんで!」

「黙って拘束されているにはいかない。マルバダスの使徒を討つのが俺たちの使命だからな」

「容疑者はお前だ。おとなしく牢にいろ!」

「それは出来ない。私にも信じてくれる部下がいるのでな。大体の事は把握出来ていると思っていたが、この状況は想定外だな。ラウル殿がマルバダスの使徒だったのか?」


 マーティン将軍の登場はレイリックにとっても想定外だったようだ。


「マルバダスの使徒はレイリックじゃないのか? 王を殺そうとしていたぞ」

「本当ですか王よ?」

「その通りだ。レイリックはそこの冒険者達を連れてワシを殺そうとした。ラウル殿がいなければ、今頃やつに殺されていただろう」

「何故だレイリック? 私を拘束して王まで殺そうとした理由を教えてくれ?」

「無駄だマーティン将軍。レイリックこそ本当のマルバダスの使徒だったのだ。フトマ18世が命じる。マーティン将軍よ。レイリックを討て!」


 フトマ王がマーティン将軍にレイリックの殺害を命じたが、マーティン将軍は動きを止めている。

 どうやら迷っているようだ。

 それは俺も同じだ。

 レイリックが怪しいのは分かっているのだが決定的な証拠がない。


「面倒だなぁ。全員やっつけちゃえばいいじゃないか。悪くなかった奴には後で謝ればいいし」


 セレスティナが炎の球を三つ生み出して、フトマ王、レイリック、マーティンの3人に向かって放った。


「危ない! ぬおおおお!」


 マーティンがレイリックを庇って炎の球の直撃を受けた。

 だが全くダメージはなかった。

 これは幻影魔法?

 フトマ王を狙った炎の球も、()()王座に直撃したが焼け焦げてはいなかった。

 そうなのだ。

 セレスティナの放った炎の球は誰もいない王座に直撃したのだ。

 老齢のフトマ王が機敏に避けたからだ。

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