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113話 ギルドの防衛機能

 ギルド職員がカウンターから離れると、カウンター上に魔法によるものだと思われる障壁が現れた。

 ギルドの防衛機能を発動したのか?

 室内を見渡すとカウンターだけでなく、全ての壁に魔法障壁がはられていた。


「覚悟してください。暴走した冒険者を排除する機能を発動しました」

「どういう事ですかオリビアさん? この問題はナンバーワン冒険者の私たちが解決するといっているのですよ。これ以上ギルドが手を出す必要はないと思いますが」


 剣士のライルがギルド職員に抗議した。


「余計な事をしているのはライルさん達ですよ。おとなしくギルドにしたがっていれば死ななくても済んだのに」


 そう言った後、ギルド職員のオリビアは奥の部屋に入って行った。

 ゴボゴボ。

 この音は?

 音が鳴る方を見ると、床から水が湧き出してきていた。


「くそっ! この障壁破れないぞ!」


 槍使いのギャリーが魔法障壁を攻撃しているがびくともしない。


「ララ、フェリス! 魔法で破れるか?」

「攻撃魔法を放ったら中にいる私たちも丸焦げよ!」

「ごめんなさい。この魔法は解除出来ないです!」

「くそっ! どうするラウル?」


 剣士のライルが俺に問いかけてきた。

 俺の攻撃で魔法障壁を破るか?

 いや、ここは安全策でいこう。


「これを一口ずつ飲め!」

「動けたのか?!」

「そんな事はいい。急げ!」


 俺はブリージング・ケルプをライルに渡した。

 そしてもう一本のブリージング・ケルプを半分飲んだ後、フェードに渡した。

 俺が今持っていたブリージング・ケルプは2本だけだった。

 だから救える人数には限りがある。

 俺たちを襲ってきた冒険者達は救えないかもしれないな。

 これでライル達は10分、俺とフェードは30分は呼吸が持つだろう。

 あとはアイツらが異変に気づいてくれるのを待つだけだ。

 床下から湧き出した水は、すぐに部屋の全てを埋め尽くした。

 ブリージング・ケルプを飲んでいなければ呼吸が出来ず苦しい思いをしただろうな。

 結構残酷な防衛機能を備えているなフトマ国の冒険者ギルドは。

 何からの襲撃を想定して作ったものなのだろうか。

 ギルドマスターのレイリックが知らないはずはないな。

 報告も含めて王城へ行って問い詰めてやろうではないか。

 水が充満してから5分が経過した。

 そろそろか?

 ドガン!

 壁からドリルが生えてきた。

 これはメガブタリウスのメインドリル。

 特攻してきたか。

 ギュイーン!

 ドリルが回転して魔法障壁を完全に破壊した。


「ラウルお待たせ! 聖女アリス様の登場です!」

「ブッブゥー」

「遅くなってすみませんでしたね。生きてましたかぁ?」


 アリス、ブタリウス、セレスティナの3人がメガブタリウスから降りてきた。


「遅せぇよ! アニキのエナドリがなかったら溺れ死んでたぞ!」

「溺れるってどういうことよ! アンタとラウルなら平気だって言ってたでしょ! なんでピンチになってるのよ!」

「こ、こいつらを庇ったからだ! 俺とアニキなら平気だったぜ」

「誰よこの人たち?」

「フトマ王国ナンバーワン冒険者グループ、ノービスのライルだ」

「あんま名乗りたくねぇけどノービスのギャラリーだ。パーティー名はノービス(新参者)だがベテランでナンバーワンな冒険者だからな!」

「魔法使いのララよ。駆け出しの頃にね、実力がないのにカッコイイ名前のグループを名乗るのが恥ずかしくてノービスを名乗っていたら定着しちゃってね」

「ダルマシウス教の神官のフェリスです。初心を忘れないって意味の素敵なパーティー名ですよ!」


 ライル達が名乗った。

 なんだ、こいつらも俺たちと同じで地味なパーティー名だな。

 少し親近感を覚えた。


「ありましたよ」


 セレスティナが右手でカウンターを抉って宝珠を取り出した。

 おそらく、この宝珠が魔法障壁を生み出している魔法道具なのだろう。


「宝珠を破壊してくれ」

「了解」


 セレスティナが宝珠を握り潰すと魔法障壁が完全に消えた。

 魔法障壁がなくなったからギルドの奥に行けるな。


「俺たちはあのギルド職員を追うけど、ライル達はどうする?」

「私たちは生きている冒険者達がいないか確認するさ。粗暴な奴もいるけどさ、全員が悪人ってわけじゃないんだ」

「それなら俺が行くぜ! 落とし前は必ずつけさせてもらうからさ!」


 槍使いのギャリーが、ギルド職員が去って行った部屋に向かって行った。

 一番面倒な奴がついてくるのか。


「アリス、ライル達を手伝ってやってくれ」

「任せて。回復魔法で大活躍してみせるから!」

「さぁ、ギャリーの後を追うぞ。この先は敵が潜んでいる可能性がある。気をつけてくれ」

「了解だアニキ。先頭は俺に任せてくれ。罠の回避は得意だからさ」

「当然だ。先頭はフェードに任せるけど、後ろはセレスティナが担当してくれ」

「わかりました。僕はブタリウスさんと一緒に行きますよ」


 フェード、俺、頭の上にブタリウスを乗せたセレスティナの順番で奥の部屋に入室した。

 部屋の中は書類がたくさん積まれていた。

 ここは事務作業を行う部屋だな。

 奥の扉を開けると通路に出た。

 この先に何が待ち受けているんだろう?

 敵の襲撃を警戒しながら慎重に通路を進んだ。

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