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111話 ギルドに殴り込みをする

 これだけ徹底的にフトマ王国軍を叩きのめしたから、軍が再び西地区へ来るまでには時間があるはずだ。

 今のうちに冒険者の方の調査も進めておこう。

 冒険者ギルドは東地区にあったな。

 俺たちは東地区の冒険者ギルドへ向かった。

 途中、王城周辺の中央地区で王城に兵士が撃ち込まれたって騒ぎがあったが無視をした。

 犯人は俺だからな。

 これだけ大きな騒ぎになっているのであれば、冒険者ギルドでも噂になっているだろう。

 できれば敵の方から襲ってきて欲しい。

 無駄な推理をしなくて済むからな。


 途中で襲撃などなく、俺たちは冒険者ギルドについた。

 ここから先はいつ攻撃を受けるかわからない。

 ギルドに入るのは俺、フェードの2人だけだ。

 アリス、セレスティナとブタリウスには外で待機してもらう事にした。

 ギルドに入ると、他の冒険者達からの視線を感じた。

 俺たちに注目しているのは、初見の冒険者が入ってきたからか?

 それとも暗殺のターゲットが乗り込んできたからか?

 フェードの髪型が目立っているだけって可能性もあるけどな。

 今の所敵対行動をしないみたいだから、気にせずカウンターのギルド職員のところに行った。


「ギリス王国の冒険者、ティーパーティーのラウルだ。西地区で略奪をしている冒険者を排除する依頼がないか教えてもらえるか?」

「りゃ、略奪? 我々のギルドに所属している冒険者が略奪を行うなんてありえません。何かの間違いではないでしょうか」

「誤魔化しても無駄だぜぇ。悪党のクセぇ匂いがすんだよ」

「貴方達も冒険者であれば、ギルドへの誹謗中傷が規約違反だという事を知っていますよね?」


 ギルド職員は一歩も引かないようだ。

 受付のギルド職員は略奪の事実を知らないのか?

 それとも知った上で俺たちを追い返す為にトボけているのか?


「冒険者の規約なら知っているさ。でも事実を言う事は誹謗中傷にはならないと思うが?」

「証拠はありますか?」


 証拠か……今のところ西地区の住民達の証言しかないんだよな。

 具体的な証拠がない以上、これ以上の追求は難しいな。

 一旦引き返すか

 俺は引き返そうとしたが、フェードは立ち止まったままだった。


「証拠はこれから出すんだよ! てめぇらがな!」


 ダンッ!

 フェードがナイフをカウンターに突き立てた。


「国際問題になりますよ! こんな横暴な態度が許されると思っているのですか!」

「知るかボケェ! 横暴で何が悪りぃんだよ!」

「フェード、やりすぎだぞ」

「アニキ! こんな事で引きさがれねぇんすよ! 規約や国際問題がなんだってんだ! 人を守れねぇ規約なんてぶっ潰してやんよ! 法の外にも守るべきものがある! だからオレはアウトローになったんだよ! 社会のルールなんて守らねえからな!」


 フェードが叫んだ。

 俺は結構無茶苦茶な事をしているがルールは守る方だ。

 当然アウトローなんて興味がない。

 法を守れない弱者が強がっているだけだと馬鹿にしていたくらいだ。

 だけどフェードは別だ。

 ドルミニ帝国の第一皇女として法に守られる側でありながら、誰かを守る為に荒ぶって、不条理に抗っているフェードを否定は出来ない。

 本当に面白い奴だよ。

 フェードが意地でも引き下がらないなら、兄貴分の俺が引くわけにはいかないよな。


「どうやら俺達は社会のルールを守れない連中みたいだな」

「あ、アニキ?!」

「良いのですか? 証拠もないのにギルドに手を出せば著名なティーパーティーの皆さんでも冒険者の資格を剥奪されますよ」

「構わんよ。俺たちは王城で冒険者の襲撃を受けたのだ。冒険者を疑う事に違和感はないと思うが?」

「その件ならレイリック様から伺っています。翡翠の刃が単独で行った事です」

「やったのはそうかもしれない。でも指示を出した者がいるだろ?」

「それはマーティン将軍と分かった事でしょ?」

「死んだエリックとやらが言っただけだ」

「エリックが死んだだと! 貴様がやったのか!」


 背後で誰かが叫んだ。

 おそらく冒険者の誰かだろう。


「俺は殺していないが、目の前で死んだ事は事実だ」

「他の奴らはどうした?」

「たしか……生きているのはボブとラスティンだったかな」

「殺したのか……サマンサを!」

「そういう事になるな。俺の同行者がやったらしい」

「弔い合戦だ!」


 ギルド内にいた冒険者達が次々に武器を抜いた。

 まいったな。

 これではマルバダスの使徒の手先なのか、仲間を殺されて逆上しているのか分からない。

 一旦全員ぶっ倒してからでないと調査が出来ない。


「フェード、こいつら全員を黙らせてくれ」

「了解だよ!」


 フェードと冒険者の戦いが始まった。

 正確に言うと戦いというよりはフェードが一方的に攻撃しているだけだ。

 シャープネスファイバーで強化されたナイフで次々に冒険者達の武装を切り裂いている。

 フェードがギルドにいた12人の冒険者を倒すのに5分しかかからなかった。


「こんなもんでいいっすかね?」

「上出来だ」


 邪魔はいなくなったのでギルドの奥の書類でも確認させてもらおうか。


「何をしている! それでもフトマ王国の冒険者か!」


 ギルドの奥から4人の冒険者が現れた。

 こいつら……強いな。

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