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11話 依頼が受けられねぇ

 ユウマと別れた俺たちは旅を続けてダルダルシアの町に辿り着いた。

 宿を探してブタリウスを預けたあと冒険者ギルドに向かった。

 四天王の情報を入手すると同時に仕事を探す為だ。

 冒険者ギルドに入ると職員しかいなかった。

 何で冒険者がいないのだろう?

 王都の本部より小さい支部だからかな?

 掲示板を見ると仕事の依頼が沢山あった。

 他に冒険者がいないから選びたい放題だな。

 色々依頼があるが商人の護衛が良いかな。

 仕事をこなすと同時に目的地に近づけるからね。

 俺は依頼書を受付に持っていった。


「申し訳御座いません。今は依頼を受けられる状況ではないのです」


 俺はギルド職員の言った事を聞いて耳を疑った。

 依頼を受けられる状況ではないってどういう事だ?


「舐めてんのかてめぇ! オレ達が依頼を受けてやろうって言ってんだよ! 仕事しろや!」


 フェードがナイフを抜いてギルド職員を威嚇した。


「フェード、ナイフをしまいなさい。何か事情があるかもしれないでしょ」


 アリスがフェードを押さえつけた。


「は、なぁ、せえええ!」


 フェードが大騒ぎしたがアリスを振り払えないでいる。

 あれっ、アリスの方が力が強いのか?

 これは驚きだな。

 いけない、アリスの怪力より仕事の話の方が重要だ。


「なんで仕事を受けられないのだ。理由を教えてくれ」

「それは……」

「それについてはワシから説明しよう」


 背後を見ると一人の老人が立っていた。

 あれは……森で出会ったトルディエだ。


「どういう事だ嫌われ者のトルディエ。何でお前がギルドの事情を知っている?」

「そっちこそどういう事だ。ワシは嫌われ者ではない!」

「いや、この二人には確実に嫌われているぞ」

「今日こそお前の首を刎ねてやるよトルディエ!」

「相手が変態賢者なら止める必要はないわね」


 アリスがフェードを開放した。

 フェードがナイフを構えて、トルディエを威嚇している。


「ギルド内で暴力行為はおやめください」


 ギルド職員が制止するが、フェードはいう事を聞く気がない様だ。

 フェードが暴れると問題になりそうだな。


「フェード、ギルド内での暴力行為は止めろ。やるならギルドの外で闇討ちしてくれ」

「わ、分かったよアニキ。後で絶対見つけて狩ってやるからな!」


 フェードがナイフをしまった。


「それで、今日はどの様な不快な言動をするのですか? ダルマシウス神の制裁を受けなければ良いのですが」


 アリスの笑顔が恐ろしい。


「なんでワシだけ扱い悪いの? 伝説の賢者なのだよ。前の勇者の仲間なのだよ……」

「その話は前に聞いた。何度も同じ話をしないでくれ」

「ワシはボケておらん! 必要だから言ったのだ! 何度も同じ話を続けているのではない!」

「話が無いなら帰ってくれ」

「依頼が受けられない理由を知りたくはないのか?」

「知りたいが、相手がトルディエである必要はない」

「ままま待ってくれ。今説明するから。頼むから私の話を聞いてくれ」

「仕方がない。説明してくれ」


 トルディエが状況の説明を始めた。

 どうやら四天王プレテイアスに占拠されている南のペプリカントから魔獣の群れが侵攻してきているそうだ。

 ギルドはダルダルシアの町を守る様に緊急の依頼を出したが、冒険者達は勝ち目がないと逃げてしまったそうだ。

 町の住民の信頼を失ったから、依頼を受けられない状況になってしまったらしい。


「そういう事だったのか。それならダルダルシアの町の防衛の依頼なら受けられるって事だな?」

「そうよね。町を守るなら人手が必要になるわよね」

「さっすがアニキ! 魔獣の群れと戦おうとするなんてクレイジーだぜ!」

「決まりだな。俺たちは町の防衛の依頼を受けるよ」

「待て! 魔獣の群れと戦うなど無謀だ。町の防衛は王国の騎士に任せて逃げるのだ」

「早く逃げたほうがよいのはトルディエの方だぞ。ダルダルシアの町に居続けたらフェードに狩られるのだからな」

「何でそうなるのだ! ワシは賢者なんだぞ! 人類の宝なんだからな!」


 トルディエが走ってギルドから出て行った。

 何をしに来たのだろう?

 賢者って暇なのかな?

 トルディエが去った後、俺は正式にダルダルシアの町の防衛の依頼を受ける事にした。


「あの、本当に依頼を受けて頂けるのでしょうか?」

「受けるよ。仕事ないと困るからね」

「分かりました。ティーパーティーの参加についてギルド長に報告してきますね」

「待て。俺は町の防衛の依頼を受けると言ったのだ。ティーパーティーに参加するなど言っていない」

「いえ、ティーパーティーの皆さんが防衛に参加するという相談です」


 ティーパーティーの皆さん?!

 何を言っているのだこの職員は。


「ねぇラウル。私たちのパーティー名覚えている?」


 アリスに問われて思い出した。

 俺たちのパーティー名はティーパーティーで登録されていたのだ。

 王都で登録したのに、南部のダルダルシアの町まで伝わっているとは思わなかったよ。


「問題ない……ティーパーティーがダルダルシアの町の防衛に参加する」

「分かりました。手続きを進めますのでお待ちください」


 ギルド職員が奥の部屋に入っていったので、俺は近くの椅子を借りて休む事にした。

 やれやれ、こんな事になるとは思わなかったよ。

 エナドリは茶じゃないからティーパーティーは似合わないんだよな……

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