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108話 裏路地にて

 マーティン将軍を拘束してから10分後、落ち着いたところで元々行う予定だったマルバダスの使徒への対策会議を行う事になった。

 ――と言っても俺たちは話を聞いているだけだ。

 フトマ国軍にもフトマの冒険者ギルドにも所属するつもりはなく、自由にマルバダスの使徒の調査と排除をする予定だからだ。

 これから始まる会議に参加するのは、お互いの調査がスムーズに出来る様に情報共有する為だ。

 会議はギルドマスターのレイリック主導で行われた。

 フトマ国軍は、マーティン将軍の代わりに会議に参加した騎士長のアレックスが指揮を取る事になった。

 冒険者達は引き続きレイリックの指揮のもと、マルバダスの使徒の調査を行う事になった。

 俺たちが調査した情報はレイリックに報告する事になった。

 会議が終了したので、早速調査に出かける事にした。

 城から出て大通りに出た後、俺は迷わず脇の狭い路地に入った。


「アニキ? どこ行くんすか?」

「私たちが調査する予定の市街地はもっと先でしょ?」


 フェードとアリスは路地を進む俺を呼び止めた。


「新しいお友達を紹介してくれるんでしょ」


 セレスティナがつかつかと俺を追い抜いて歩いて行く。

 フェードとアリスでも気づかなかったのにセレスティナは気づいたのか。

 あいつの気配に気づくのは難しい。

 セレスティナは魔力感知が出来るのかもしれないな。


「セレスティナの言う通りだ。ついてくればわかるさ」

「新しいお友達だってぇ? 敵でも潜んでんのか?」

「何でお友達が敵なのよ。知り合いが潜んでいるんじゃないの? ユウマとか?」

「それはねぇだろ。まぁ、アニキについてきゃ分かるさ」


 フェードとアリスが俺の後をついてきた。

 突き当たりで曲がり、少しひらけたところで何無い空間に向かって声をかけた。


「いるんだろ? ランドルフ?」

「ラウル殿なら気づいてくれると思いましたぞ」


 ドルミニ帝国の賢者ランドルフが何も無い空間から姿を現した。


「クソ賢者! 何しにきやがった!」

「出たわね! ブリージラリアス大陸までついてくるとはいい度胸ね!」


 フェードとアリスが戦闘体制に入った。


「何でワシを敵対視するのだ! バンダニギの聖女とは一緒に行動しておるのに!」


 賢者ランドルフが怒り出した。


「待てフェード、アリス。一応話を聞こう。ランドルフはトルディエよりマシな奴だろ?」

「トルディエよりマシなのは認めるけどさ。こいつもインチキ賢者なんだぜ」

「ラウルがそう言うなら一応話を聞いてあげるわよ」

「そういう事だ。なんのようだランドルフ?」

「何故バンダニギの聖女と行動をともにしている? ワシは忠告したはずだが?」


 俺たちがセレスティナと一緒にいるから、忠告を無視したと賢者ランドルフは思っている様だ。

 別に言い訳する必要もないが、一応本当の事を伝えておこうか。


「行動を共にしているのではなく、勝手についてきてしまっただけだ。最初は逃げようとしたんだけどね」

「それは心外だなぁ。喜んで同行してくれていると思っていたのに。何で僕を敵視するのかな?」


 セレスティナがレンドルフの前に近づいた。


「これ以上近づくな! ワシはドルミニ帝国の十賢人筆頭、賢者ランドルフ。これで貴様を敵視する理由は分かっただろう?」


 ランドルフが杖をセレスティナに向けた。

 今度はこっちの二人が戦いを始めそうだ。

 何で俺の周りには戦いたがりばかりいるんだ?

 しかし、気になる事もある。

 ランドルフがセレスティナを敵視している事だ。

 こいつドルミニ帝国で何をしたんだ?

 俺たちを探して観光気分でドルミニ帝国に行ったって話はした様な気がするけど……


「何をしようと僕のかってだと思いますけど。僕はまだバンダニギ聖王国の聖女をやっているのですよ。僕と敵対するって事は、バンダニギ聖王国と敵対する事になるって分かってますかぁ?」


 セレスティナが耳に手を当ててランドルフを挑発している。


「そんな事は承知の上。ヴィクター様はバンダニギ聖王国との戦争も辞さない」

「ふ〜ん。なら死んでもらおうかな」

「やめろ」


 俺はセレスティナの腕を掴んで止めた。


「よく躊躇なく触れますね。僕の力を知っているのに。腕ごと消されるとは思わなかったのですか?」

「セレスティナはそんな事はしないだろ?」

「……僕を信じている? まぁいいでしょ。別にそんなお爺さん見逃したところで何も変わらないですから」


 セレスティナが俺の後ろに下がった。

 もうランドルフに興味を失ったようだ。

 セレスティナは腕ごと消されるとは思わなかったのかと言っていたな。

 おそらく、言った通りに自身に触れた相手を消滅させる事が出来るのだろう。

 今後は迂闊に近づけないな。

 俺はセレスティナから離れてランドルフと再び話をする事にした。


「色々話が逸れたが、また忠告しにきたのだろう?」

「そうだ。ブリージラリアス大陸への定期便の運行が再開されたのでな、ソレータムの奴が追いかけてきている。十分気をつける事だ。もう一つはフトマ国軍も冒険者ギルドも信用するな」


 ブリージラリアス大陸とダルマンド大陸間の定期便の運行が再開されたのは朗報だな。

 だけど元三戒のソレータムが追いかけてきているのは面倒だな。

 あいつ鉄球を振り回すだけの脳筋だけど何故か強いんだよな。

 それにフトマ国軍と冒険者ギルドを信用するなってのも気になる。

 ランドルフは何を知っているのだろう?

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