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104話 フトマ国の惨状

「セレスティナ、女神バンダニギは存在しないのか?」

「存在しますよ。でも都合よく出てくるはずがないでしょ。だから好きなアイドルを女神として映しただけですよ」

「そんな事をしていてバンダニギは怒らないのか?」

「怒らないと思いますよ。女神バンダニギは、女神ダルマシウスが生み出した神ですから。嫌だったら僕にこんな能力を授けないでしょ?」


 女神バンダニギは女神ダルマシウスが生み出した神だと?!

 それなら……女神バンダニギは俺たちの敵という事になる。

 俺たちは女神バンダニギを生み出した女神ダルマシウスを滅ぼしているのだから……

 セレスティナが俺たちに近づいた理由は……今は考えないでおこう。

 疑うにはまだ早い。

 セレスティナとの話を切り上げてすぐ、俺たちは王城にたどり着いた。

 メガブタリウスから降り、セレスティナがメガブタリウスを収納した。

 城内に案内され、30分ほど応接室で待たされたあと、3人の男性が入室してきた。

 中央の豪華な服装の老人は国王だろう。


「よく来てくれた。私はフトマ国の国王、フトマ18世だ。我が国の兵士が迷惑をかけたようだな」

「迷惑だったな。フトマ国では確認もせずに旅人に矢を放つのか?」

「殺人行為だよなぁ。国王さんよぉ」

「私がいなかったら死人が出ていたわよ。このダルシウス教の聖女アリス様がね!」

「その事については将軍である私の責任だ。兵士達にマルバダスの使徒を討つように命じたのは私だからな」


 国王の右隣の剣士が頭を下げた。


「命令はマルバダスの使徒を討つ事だろ。なんで王都に入ろうとしただけの俺達を襲う事につながるのだ?」

「恐怖だ」


 将軍が震えている。

 マルバダスの使徒って、そんなに恐ろしい存在なのか?

 ドルミニ帝国のヴィクターも恐れていたけど、マルバダスの使徒だったウィルフレッドをフェードがあっさり倒してしまったから強いイメージがないんだよな。


「そうか、ドルミニ帝国でマルバダスの使徒を倒したけど、そんなに強くなかったぞ」

「なんと! マルバダスの使徒を討った事があるのか?!」

「オレ様が軽く捻ってやったぜ。あの程度のザコなんて、アニキの手を煩わせる必要はねぇからな」

「頼む! 王位を譲っても構わん。救ってくれ……フトマ国を!」


 フトマ王が俺たちの前で跪いて助けを乞う。

 異常な光景だな。

 一国の王が素性の知れない旅人に助けを乞うなど。

 これは想像以上に大変な状況なのかもしれない。


「我々が王に代わりマルバダスの使徒を恐れる理由を説明しよう」


 将軍と王の左隣にいた男がフトマ国の状況について話し始めた。


「我が国は昔からマルバダスの使徒の巣窟となっていた。それは国を守るべき立場である私にとって許し難き事だった。だからここにいる冒険者ギルドのマスターレイリック殿と一緒にマルバダスの使徒の討伐を決めたのだ」

「そういう事だ。私はマーティン将軍と共にマルバダスの使徒の討伐を行う為に冒険者に依頼を出した。だが、マルバダスの使徒の討伐に当たった冒険者達は全員暗殺された。どこで情報が漏れたのやら……」


 ギルドマスターのレイリックが悲痛な顔をしている。

 自分の依頼のせいで死んでいった冒険者達を悼んでいるのだろう。


「死んだのは冒険者だけではない。兵士たちも同じだ。だから恐れているのだ。恐れは疑念を産む。君たちだけではない。王都では連日同士討ちが行われている。武器を持つ者、豊かな者、自分とは違う人は全て敵とみなす状況だ。もう我々では止める事は出来ないんだ……」


 そういう事情だったのか。

 フトマ国の王都では一日程度しか滞在しないつもりだったが、見捨ててドルマリア国へ向かう訳にはいかなそうだな。

 サクッとフトマ国にいるマルバダスの使徒を排除してみせよう。


「そういう事情なら協力しよう。いいよなフェード、アリス」

「だよなぁ。ザコを排除するのに苦戦なんてしねぇからな」

「私たちティーパーティーに勝てる敵は存在しないからね」


 フェードとアリスも同意してくれた。


「なんと! あなた達は、あのティーパーティーだったのですね。ブリージラリアス大陸の冒険者ギルドでも噂になってますよ」


 ギルドマスターのレイリックは俺たちの事を知っていたようだ。

 噂の発信源はギリス王国のギルドマスターのケインだよな。

 一体どういう噂を流したのだろう……


「一つだけ教えてもらえるか? この戦いにユウマという名の男は関わっているか?」

「いや……記憶にない」

「そういう事なら問題ない。しばらく王都に滞在してマルバダスの使徒の事を調べてみよう」

「それなら王城で部屋を用意致します」


 マーティンが部屋を用意してくれる事になった。

 どうやらこの騒動が起きたのはユウマがドルマリア国に行った後のようだな。

 こんな状況を放っておくようなヤツではないからな。

 さて、マーティンについていって部屋でくつろぐとするか。


「お手柄ですねフェードさん」


 今まで黙っていたセレスティナがつぶやいた。

 どういう意味だ?

 セレスティナが言った事が気になったが、聞き返さない事にした。

 おそらく他の奴らがいる所では話せない事だろうからな。

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