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103話 邪神の使徒に間違われる?!

 ボムリアの町を出た俺たちはドルマリア国目指して街道を南下した。

 セレスティナの能力のお陰で食料の補給が必要ないので、途中の街に立ち寄らずに済んでいる。

 ボムリアの町で得た情報通りであれば、そろそろフトマ国の王都に着くだろう。

 王都の南側の街道に出るには、王都を通り抜ける必要がある。

 せっかくだから王都で泊まろうか。

 メガブタリウス内で寝泊まりするのは疲れたからな。

 ギリス王国では手に入らない珍しい物も手に入るかもしれないから観光するのも良いかもしれないな。

 色々考えている間に王都の入り口の門が見えてきた。

 俺は王都に入る為に並んでいる馬車の列にメガブタリウスを止めた。

 なにやら騒がしいな。

 事件でも起きたのだろうか?


「迎撃用意! 弓兵を門の上に集めろ!」


 街の入り口を守っている兵士達が戦いの準備をしているようだ。

 敵襲か?

 あたりを見渡しても魔獣は見つからない。

 彼らは何と戦うつもりなのだろう?

 兵士たちの様子を見ていると、門の上に弓兵が現れ矢をつがえた。

 そしてメガブタリウスめがけて矢が放たれた。

 えっ?! 敵って俺たちの事?!

 すかさずアリスが魔法障壁を展開して矢を防いだ。


「矢が防がれたぞ! 槍を使え! 接近戦で撃退しろ!」


 兵士たちが槍を持って走ってきた。


「この野郎が! やっちまいましょうぜアニキ!」


 フェードがメガブタリウスから飛び降りた。


「出たぞ! マルバダスの使徒だ!」


 フェードの姿を見た兵士たちが怒り狂っている。

 マルバダスの使徒……どこかで聞いた事があるような……


「マルバダスの使徒ですか。どうやら僕たちを邪神の手先だと思っているようですね」


 セレスティナの説明を聞いて、ドルミニ帝国聞いた邪神の事を思い出した。

 そういえば邪神マルバダスの使徒はブリージラリアス大陸で活発に活動していたのだったな。

 だが、なんで俺たちがマルバダスの使徒と勘違いされたのだ?


「ラウルはマルバダスの使徒扱いされた事が不思議に思えるんだね」


 セレスティナに俺の考えが見透かされたか。

 どうやらセレスティナは俺と違ってマルバダスの使徒扱いされた事に心当たりがあるようだな。


「どういう事だセレスティナ? 俺たちがマルバダスの使徒扱いされている理由に心当たりがあるのか?」

「あるに決まっているでしょ。僕たちはこの国の兵士たちが見たことがない戦車で王都に乗り込もうとしているんだよ。戦車の事は知らなくても、ドリルが武器である事は理解出来るんじゃないかな?」


 そういう事か?

 ギリス王国では自然に受け入れられていたから気づかなかったよ。


「そういう事なら私に任せて! フェードは悪人に見えるから下がりなさいよ。ここは聖女アリス様の出番だから!」

「ちっ、わかったよ。しくじんなよ」

「誰に言ってるのよ!」


 アリスがメガブタリウスの上によじ登った。


「わたしはダルマシウス教の聖女アリス! 私たちは敵ではありません! 武器を下ろしてください。」

「この偽聖女が! ダルマシウス教に聖女などいない!」

「おいっ! なんかもっと酷い事になってんぞ」

「な、なんでかなぁ〜」


 兵士どころか、王都に入る為に並んでいた商人からも疑われて石を投げられた。

 ダルマシニウム神国があるダルマンド大陸でも存在が完全に認知されていないダルマシウス教の聖女は、別の大陸であるブリージラリアス大陸では更に認知されていないようだ。


「ちょっと! 女の子に石を投げるなんて酷いと思わないの!」


 アリスが魔法障壁で投げられた石を防ぎながら抗議したが誰も聞き入れてくれない。


「僕が身の潔白を証明した方が良いかな?」


 セレスティナが立ち上がった。


「そうだな。ぶっ飛ばすだけなら簡単だが、ギリス王国の友好国であるフトマで暴れて女王シンシアとローレインに迷惑をかけたくないんでね」

「ふ〜ん。ギリス王国の新女王と知り合いだって噂は本当だったんだね。いいよ。僕がなんとかしよう。一応仲間だからね」


 セレスティナがメガブタリウスの上にふわりと飛び乗った。


「私はバンダニギ聖王国の聖女セレスティナ。兵士たちよ、武器を納めなさい」

「また偽聖女が出てきたぞ! 騙されるな!」

「騙してなどおりません。私に刃を向けるという事は、女神バンダニギに刃を向ける事と同じなのですよ」


 セレスティナが虚空から杖を取り出し空に向かって掲げると、上空に女神の映像が現れた。

 光に包まれた荘厳な雰囲気の女神の姿を見た兵士たちがひれ伏した。

 やってくれたなセレスティナ!

 兵士たちを戦わずに止めた事は感謝するけどさ。


「大変失礼致しました。部下に罪は御座いません。聖女様を襲った罪は私の死で償います」


 兵士長と思われる人物が跪いて謝罪した。


「その必要は御座いません。私たちを通して頂ければ」

「いえ、そうはいきません。聖女様を襲っておきながら、何もせずにお通ししたら国の恥。一度王宮へ来ていただけませんか?」


 俺たちが断っても兵士長は引かなそうだ。

 どうせ王都で泊まる予定だったのだ。

 折角だから招待を受ける事にした。

 メガブタリウスに乗り込み、兵士たちの案内に従って王宮へ向かった。

 俺は隣に座るセレスティナに話しかけた。


「おいっ、あれはどういう事だ?」

「あれって何の事?」

「なんでアイドルを映した?」

「バレちゃいました? 好きなんですよね、彼女の事」


 セレスティナがしれっと言った。

 バレたらどうするんだ。

 セレスティナが空に映した映像は女神バンダニギではなく、転生前の世界のアイドルの映像だったのだ。

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