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101話 クラーケンをぶっ倒す!

「これ以上攻撃を受けたら守りきれないわよ」

「心配ねぇよ! 今からオレがぶった斬ってやるからさ!」


 フェードがナイフでクラーケンの足を切り裂いていく。

 グラッ!

 急に船が揺れてフェードがバランスを崩した。


「しまった!」


 ブンッ!

 クラーケンの足がフェードを薙ぎ払った。

 宙を舞って海へ落ちていくフェード。

 油断したか。

 だが心配はない。

 フェードはブリージング・ケルプを飲んでいる。

 後で救出すれば大丈夫だ。

 俺はライジングハーブを飲んで身体能力と気分を上げた。


「くらえ! エナドリパンチ!」


 俺の拳を受けたクラーケンの足が船から離れていった。

 手応えが弱いな。

 弾力があって決定的なダメージを与えられていないようだ。

 このまま襲ってくるクラーケンの足を打ち返しているだけでは勝てない。

 本体に直接攻撃を叩き込む必要がある。


「アリス!」

「分かってるわよ! 飛んで!」


 俺は海上のクラーケン目掛けて船から飛び降りた。


「海に飛び込んだ?!」


 背後からセレスティナが驚く声が聞こえた。

 俺たちの戦い方を知らなければそう思うよな。

 でも俺には足場がある。

 アリスが作った魔法障壁を足場にしてクラーケンの頭上まで走った。


「これでもくらって海に帰れ! エナドリキィィィィック!」


 俺の蹴りがクラーケンの頭に直撃した。

 水飛沫をあげて沈んでいくクラーケン。

 蹴りの反動で空中に飛び上がると、アリスが魔法障壁をはって足場を作ってくれた。

 バリッ!

 海が光ったと同時にフェードがクラーケンの腹部を突き破って飛び上がってきた。


「さっきのお返しだこの野郎! オレの雷撃魔法は効くだろ? おおっと!」

「大丈夫か?」


 落下しそうになったフェードを引き上げた。


「助かったぜ。アニキ、ありがとな」

「船に戻るぞ」


 俺はフェードと共に魔法障壁の上を歩いて船に戻った。


「お疲れ様ラウル、フェード」

「アリスもな。船を守ってくれたから旅を続けられそうだ」

「ナイスだぜアリスぅ。オレたちは最高のパーティーだぜぇ」


 パチパチパチ。

 セレスティナが拍手をしていた。


「ラウルさん達はこういう風に戦うんですね。信頼し合っている仲間同士って感じで良かったですよ。息の合った連携お見事です」

「テメェ舐めてんのか? 見世物じゃねえんだよ!」

「そんなに怒らなくても良いわよフェード。ただの嫉妬だからね。凄い力を持っていても大型モンスターとは戦えないみたいね」

「そんなふうに見えますか? やれやれ、ラウルさんは転生者について教えていないのですか?」

「教えはしたが、俺より弱い相手しか出会った事がないから実感がわかないんだ」

「そういう事ですか。ラウルさんはお強いんですね。なら僕でもクラーケンに勝てた事くらい気付いていますよね」

「当然だ。クラーケンの巨体でも異空間に送れるのだろ?」

「正解です!」


 セレスティナが両手で丸を作った。

 頭上に乗ったままのブタリウスが不思議そうな顔をしている。


「敵をどっかに飛ばすだけかよ。アニキが驚く事はないと思うぜ」

「そうよね。それに海に落ちたらクラーケンに触ることすら出来ないんだから」


 フェードとアリスはセレスティナを甘く見ている。

 コイツはモンスター程度で苦戦するようなヤツではない。

 もっと凶悪な存在だ。


「海に落ちたらですか? 落ちたら海もなくなるだけですよ」


 想定外の返答を聞いてフェードとアリスがポカンとしている。

 セレスティナの言っている事の意味が理解出来ないのだろう。


「フェード、アリス。セレスティナが言っているのは、海ごとクラーケンを消滅させるという意味だ」

「はっ?」

「えっ?」


 二人揃って困惑している。

 海が消滅するなど想像出来ないのだろう。


「その通りですよ。僕は海でも気に入らなければ消しますよ。こんな風にね」


 セレスティナが剣を拾うと、柄から剣の中央までが綺麗に消え去った。

 カランカラン。

 残された剣の先端が甲板に落ちて音を立てた。

 本当は剣の全てを一瞬で消滅させられたのだろう。

 でも、この方が脅しになる。

 原型を留めない消し方が出来ると見せつけられるからだ。

 俺以外の全員が凍りついたように身動きをしない。

 特に海賊たちはセレスティナを恐れている。

 気に入らなければ消すと言う事は、セレスティナに嫌われれば消滅させられる可能性があるという意味だからだ。


「あんまり脅かすなよ。これからブリージラリアス大陸に向かって旅立つ仲間なんだからさ」

「仲間? この犯罪者共が?」

「そうだ。ブリージラリアス大陸につくまでの間だけどな」

「ブリージラリアス大陸に着いたら?」

「牢屋に入る事になるだろうな」

「甘いですね。僕たちより前に騙された人達を殺しているのかもしれないのですよ」

「分かっているさ。だからコイツらの処遇を決めるのは俺たちではない」

「遺族が苦しみますよ。被害者であっても人を殺す判断をするのは辛いですから……」

「結構優しいんだな」

「そんなんじゃないですよ……」


 セレスティナが船室へ向かっていった。

 一応船員達を殺さない事に納得してくれたのだろうか。


「すげぇなブタリウス」

「そうよね。平然とセレスティナの頭上に乗っかったままだったわよね」


 フェードとアリスがブタリウスに感心していた。

 そういえばブタリウスってなんだろう?

 水魔法まで使い始めたから、ただのブタって事はないよな。

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