表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
木曜会  作者: 芥川何某
6/15

木曜会6

木曜会 6



『私が村上春樹に惹かれるところとは…

それは 多分 自分の事のように感じる 読む人がまるで自分の事のように感じるあたりかと…』私が途切れ途切れ か細い声でそう答えると 佐山のタヌキが『まぁ その辺で良いでしょう ねぇ 先生 初めて参加した若者にそんなに詰め寄らなくても まぁ 冷たいお茶でも飲んで一服しませんか 皆さん ちょっと 松本君 お茶を皆さんにお出しして』そう言うと末席に座っていたボサボサ頭の野暮ったい男が無言で台所に行きました すかさず高野爺さんが話かけてきました『 いやぁ 冷汗物でしたな〜 まぁ 手厳しいですがな 悪気はないんですわ それと今 台所に行った男 あれはね 松本というんですがな

木偶の坊ですわ いわば会の使いっ走りですな どうして木曜会に参加してるんだからわからんがね あれに比べたらあんたなんかは まだましですわ』

その松本という男は大きな体を小さく畳みながら狭い六畳間にお茶を配って回っていました いきなり 佐山のタヌキが大きな声で言いました 『ちょっと 松本君 汚い尻を先生の方にむけるんじゃないよ』その時です その声に 驚いた松本君はバランスを崩してお茶を平野女史に勢いよくぶっかけてしまいました あたまからお茶を被った平野女史は一瞬何が起きたのか理解するまでに時間がかかったようですが 状況がわかると突然立ち上がりました『ちょっと 貴方 何やっちゃってくれてますの わたくし信じられませんわ なんですのいったい 嫌だわもう わたくし何か貴方に恨まれるようなことしまして?』と地団駄を踏んでいます 平野女史の白いワンピースはお茶をかぶったために薄っすらと下着が透き通って見えました それは年齢に似合わないピンク色の派手なブラジャーでした 私が無意識にそれを見ると 平野女史と目が合ってしまいました 刹那 平野女史は『あぁ〜』と言って両手で胸を隠し泣き崩れました

『まぁ 平野君もそんなにヒステリックにならんでも 松本君も悪気があったわけじゃないんだから許してあげなさいよ』仁平先生がそう言うと松本君も平謝りにオデコを畳みにつけておりました 木曜会なる会は一流の人の集まりだと高野爺さんは言っていましたが どうあれ 私のように一流の人と会った事のない人間には なんともうしましましょうか 未知の世界なのでした

なんだかんだのうちにその日の木曜会は終わり 私は家に帰りました

夜になって携帯にメールが一通届きました

『お元気ですか?靖子です 明日の夜 中野さんと三人でいつもの店で飲みませんか?お返事お待ちしてます!』


靖子さんからのお誘いです 靖子さんと中野さんは私よりも年上ですが 所謂 ハードハルキストです 毎年 ノーベル文学賞発表の夜

ハルキスト達を束ねて結果を待つのを慣わしとしている人達です いわば ハルキストの中のハルキスト king of ハルキストとも言えます


私は参加させていだだく趣旨の返事を返して床につきました


続く……



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ