表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】婚約破棄された女騎士には溺愛が待っていた。  作者: まるねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/60

33

「母上、言ってはなりません。王宮では厳しく緘口令が敷かれており、王女の悪い噂一つ上げてはならないことになっているのです。そんな中、ラダン君は王女に目を付けられた」


兄は厳しい表情でそう話をした。


……なんてことだろう。


足元が崩れていくような感覚になる。


「陛下や王妃様は王女様を諫めないのかしら?」

「王妃様や王太子様は常に苦言を呈して止めてはいますが、陛下は王女を溺愛してますから王女の言うことなら全て聞く感じですね」


「ですが兄様、いくらラダン様に目を付けても私と正式に婚約をしているのですよ?」

「甘いな妹よ、あの王女が気に食わないというだけで令嬢を殺そうとするんだぞ? お前は邪魔者なんだよ。わかるよな?」


つまり、ラダン様を取られ、私は王女から命を狙われていてもおかしくない、と……。


兄の言葉に母も絶句する。


まさかのことで頭が付いていかない。


「陛下はそれで良しとなさるおつもりなのですか?」

「流石にそれを許すようには思えないが、確実ではない。シャロア、お前には酷だが最悪の事態も想定しておいてくれ」


真面目にそう話す兄の言葉が私にはとても重かった。今度は好きな人とちゃんと結婚できると思っていたのに。


無理やり引き離される可能性や私が邪魔だから殺される可能性があるのか…。


頭を殴られたような感覚に自然に涙が溢れてくる。


「嫌だ。嫌だ! 兄様の嘘つき! 嫌だっ。ラダン様と結婚するのは私なのっ」

「……すまない。だから今、父上も私もクレートも必死で抵抗しているんだ。酷な話を聞かせてしまったな。少し休むといい。ガード、シャロアを部屋まで連れて行ってくれ」


泣きわめく私を母も兄も止めることはなかった。そっと執事が部屋まで送られる私。


「お嬢様、きっと旦那様が何とかしてくださいます。お気を確かに」

「……ガード。そ、うね、きっと何とかなる、わよね」


私は不安になりながらも父達を信じるしかない。私は騎士を辞めてしまったので滅多に王宮に行く事はないし、情報も入ってこない。私はただ小さなぬいぐるみをギュッと抱きしめることしか出来なかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ