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プロローグ
久々の投稿!宜しくお願いします!
――ある日のアルモドバル子爵邸での出来事。
「すっ、すまないっ。そんなつもりじゃなかったんだっ」
「ではどんなつもりだったのですか?」
私は冷たい目で彼を見る。
「シャロアの事を一番に考えていたんだ。何度も言うように君の事を愛している。妻になって欲しいと思っていたし、今だって思っている」
「そんな馬鹿な事がまかり通ると思っているのか?」
父は馬鹿にしていると怒り心頭だ。この言葉にはさすがのアルモドバル子爵もあきれ顔だった。夫人はずっと泣きっぱなしで言葉はない。
「ではダイアンの有責で婚約破棄をお願いします。用意した衣装、折角ですからアンネリア嬢にお譲りしても構わないわ」
「嫌だ!嫌だ!君の事が好きなんだっ」
「……ダイアン、もう、よせ。お前が悪い」
彼の父であるアルモドバル子爵に諭され婚約破棄の書類にサインをしたダイアン。
悲しいかな。結婚式一月前で婚約破棄になってしまった。
私、シャロア・エレゲンは泣く泣く婚約者を失ったの。
……もう恋なんてしないわ。