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よく分かんない作品集

おじさんとおじさんとおじさん

作者: ジャビバンジェベラ

 その日俺はいつものように駅の6階にある図書館で本を読んでいた。


 12時を過ぎた頃、腹が減ったので駅の近くにある牛丼屋に行こうと思い席を立った。


 この時、いつも賭けることがある。

 エレベーターにすぐに乗れるか乗れないかだ。


 誰と勝負しているわけでもないのだが、自分の中でどちらか予想するのだ。1階からだと5階分登ってくる時間がかかるし、5階と表示されていて矢印が下を向いていたりなんかしたらもう悪夢だ。1番下まで行ってまた6階まで戻るのを待たなければならない。


 待っている間に図書館から出てきた老若男女が俺の後ろに並ぶかもしれない。知らない人とエレベーターに乗るのは例え数十秒でも嫌だ。出来るだけ避けたい。途中で止められて乗り込まれるのも嫌だ。咳するじじいとかだともっと嫌だ。


 なんて考え事をしながら図書館を出ると、エレベーターの表示がちょうど「↑5」だった。今5階にいて、上に向かっているということだ。


 この建物は6階建てなので、この状況は超完璧のハンニャハンニャパーということだ。


 俺はサーターアンダギーのような笑顔で扉が開くのを待った。


 2秒で来た。中からはまさにTHE・おじさんという感じの、おじさんおじさんしたおじさんが出てきた。まあ俺もおじさんなんだけど。


 中に入り、後ろから誰も来ていないことを確認するとすぐに閉まるボタンと1階のボタンを押した。


 ゆっくりと扉が閉まる。


 しかしすぐにまた開いた。


 誰か乗り遅れた人でもいたのだろうか。

 そう思いながら外を見たが、誰も来ていなかった。周りを見渡して完全に確認してもう1度扉を閉めた。少し怖かった。


 今度はちゃんと1階まで降りてくれた。

 扉が開くと、目の前は本屋だった。


 ここで俺は違和感を覚えた。


 おじさんが立ち読みをしている。

 おじさんが絵本を見ている。

 おじさん店員2人がレジについている。


 おじさん多くね?

 ⋯⋯まあそんなこともあるか。


 右に少し歩くと、駅の改札がある広場に出た。ちょうど帰宅ラッシュの時間帯だったので人が多かった。


 また俺は違和感を覚えた。いや、目を疑った。


 おじさんしかいないのである。


 いくら帰宅ラッシュだからといって、こんな300人くらい全員おじさんなんてことが有り得るのだろうか。


 周りをよく見てみると、おじさんとおじさんが腕を組んで歩いていたり、ミニスカートのおじさんがいたり、杖をついたおじさんがいたり、おじさんとおじさんの間に2人と手を繋いだ小さなおじさんがいたりした。


 俺はある結論に至った。


 男も女も大人も子どもも、全員がおじさんになっている。

 信じ難い話だが、目の前で起こっていることなので信じざるを得なかった。


 俺は駅を出て交番へ走った。

 その途中も街中はおじさんで溢れていた。


「おじさんがいっぱいいる!」


「いいでしょ別に」


 警官が怠そうに言った。


「世界がおかしくなってる! 全員おじさんになってる!」


「何言ってるんですか、ずっとそうじゃないですか。ていうかもしおかしかったとしてそれを警察に言うのも違う気がしますけどね。『全員おじさんになってる!』じゃないですよ笑バーカ笑」


「話にならん!」


 俺はバスで家に帰った。

 バスの中はとてもうるさかった。


 セーラー服を来たおじさん達が後ろ半分を陣取っていたからだ。なのに前の方でおじさんが小声で電話をしていると運転手が「他のお客様のご迷惑になりますので、社内での通話はおやめください」とアナウンスをした。


 後ろのJK(?)にも言えよな! 不公平だろ!


 家に帰ると、カレーの匂いがした。たまらん。


「ただいまー!」


 俺は玄関を閉めずに駆け込んだ。


「どうしたのよそんなに慌てて」


 キッチンからおじさんの声でそう聞こえた。

 幸代⋯⋯まさか幸代まで⋯⋯!


「早退したの?」


 心配そうな声で言いながら妻が振り返った


 ヒゲゴリラだった。


「大丈夫? 具合でも悪いの?」


 そんな言葉も耳に入らないくらいのヒゲゴリラだった。


 なんでよりにもよってヒゲゴリラなんだ。せめてイケおじであってくれよ。幸代は美人なんだから⋯⋯


 俺は自室に籠った。


 エロ本の入った鍵付きの引き出しをあける。


 血色の良いピンクがかった太ももが見える。


 少しだけ毛の生えたあそこ!

 棒などはついていない!

 ということはおじさん回避か!


 さらに引き出しを引くと、女優の大振りな乳房が目に飛び込んできた。


 よし、とりあえずエロ本は無事なんだな⋯⋯良かった良かった。


 安心した俺は引き出しを全部あけた。


 女優の顔がヒゲダルマだった。


 そんな⋯⋯!


 俺は必死でページを捲った。

 本の中はあられもない姿のヒゲダルマやヒゲゴリラ、ハゲゴリラの写真で埋め尽くされていた。


 終わった⋯⋯


 この世界はやっぱりダメだ⋯⋯


 一応動画も確認してみた。

 女のカラダをしたおじさんの声のおじさんがベッドの上で乱れている。


 ダメだ⋯⋯


 こんな世界、ダメだ⋯⋯!


 誰かこの世界を元に戻してくれぇ!

 救世主ーーーーーっ!

 ということで誰か世界を元に戻してくれ。


 それが出来るのは⋯⋯そう! 画面の前の君だけだ!m9(ФωФ)




 約1年前、『ウデ・クツシターVSアシ・グンテー』というリレー小説を書いた。

 結果、私以外に4人の作者が集まり、それぞれ思い思いの物語を紡ぐこととなった。


 去年は私が第1話で作り出したフォーマットがあったため、参加のハードルはそれほど高くはなかっただろう。


 しかし今回は! なんかよく分からん状態での引き渡しとなっている! これはひとえに私がめんどくさがり屋だからである!


 ということで参加お待ちしてるよ!

 参加方法は簡単! タイトルのおじさんを増やしていってくれ! 「ウデアシ2回戦」=「おじさんとおじさんとおじさんとおじさん」というイメージだ! いきなり3連続おじさんから始めちゃってごめん!


 なんも考えずに書いた話だから、なんも考えずに続き書いてね! 去年みたいに私がレビューしなきゃいけないくらい面白い作品が投稿されますように! あれはヤバかった!


 もちっ

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― 新着の感想 ―
[一言] ???「うふふ。おじさんがいけないのよ。いつもアタシを見てニヤニヤするんだから。だからみんなおじさんに見えるようにしてあげる。」 書いてみました逆転ホラー。 「おじさんとおじさんとおじさんと…
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