第六話 米西戦争と日本
投稿遅れました。申し訳ない。
第六話です。
だいぶ前作と話が違いますね、、、
時は少し遡って1898年4月、アメリカ政府から日本政府にとある連絡が入った。
「ちょっとハワイの港、貸してくれない?」
1898年2月、キューバのハバナ湾で停泊していたアメリカ海軍の戦艦メインが突如爆発、沈没した。
背景としては、1897年に「アメリカ婦人を裸にするスペイン警察」という捏造記事がきっかけになり、アメリカの各メディアはスペインの残虐な行為を誇張する形で報道、アメリカ国民の人道的感情を刺激した。
そのためアメリカ国民はキューバへの介入を求める勢力の増大を招き、さらにはメイン号の沈没による多数の犠牲者という事件によって、結果的に世論に負ける形で1898年4月、アメリカはスペインに宣戦布告した。
とは言っても当時弱体化が激しかったスペインから植民地をむしり取ることが目的だったことは明白であり事実、開戦直後に当時スペイン領だったフィリピンにはアメリカの太平洋艦隊と揚陸隊が押し寄せてきていた。
開戦直後の5月、フィリピンでは香港を出発したアメリカ太平洋艦隊とそれを迎撃しようとするスペインの防衛艦隊との間でマニラ湾海戦が行われており、この戦いにおいてスペイン軍は大敗。
フィリピン近海の制海権はアメリカの手に渡り、揚陸隊がフィリピンに上陸。激しい陸戦が行われた。
そしてこの戦いの最中、補給の問題からアメリカ政府は日本にハワイの港の使用を要求してきたのである。
どういう事か説明すると、アメリカ軍は補給の大部分を本国からに任せていたのだが、カリブ海制圧では比較的本国と近かったものの、フィリピンのある太平洋方面では本国からかなり離れている事に合わさって、太平洋上にアメリカが使用できる港、拠点が存在していなかったのである。(正確には軍事的に使用できる場所がなかった)
そのためハワイの港の使用を日本に求めたわけだが、日本の返答はNOだった。
これには理由があり、ハワイにアメリカ軍が入ることにトラウマがあった事である。
過去にアメリカは、ハワイ王国時代(日本との連邦化前)に内乱を起こした前科があったため、入港を拒否したのである。(ハワイの内乱については第二話参照)
そして理由は他にもあり一番の理由となっていたのはアメリカの太平洋での影響力拡大であった。
日本としては、超大国であるアメリカの帝国主義的拡大政策に懸念が生じていたからである。
実際、日本はアラスカ購入と合わせて太平洋上のアメリカ領土も一緒に購入しており、これ以上拡大させないように働きかけていたのである。
しかし、アメリカは入港拒否に対して反発し、武力も辞さないと日本を恐喝。
流石に国力差が大きすぎるため、結局妥協案として日本がアメリカの代わりに物資をフィリピンまで運ぶこととなった。ちなみに輸送費はアメリカ持ちである。
またこのアメリカの行動により、日本は後にイギリスとの同盟締結に動くことの一因となることは言うまでもない。
結果的にはこの日本の行動はフィリピン降伏とアメリカ軍の増援派遣を2ヶ月ほど遅らせるだけとなり、同年10月にスペインはアメリカと講話することとなった。
講話の結果、カリブ海におけるスペイン領土とフィリピンはアメリカに非常に安価な値段で売却することとなりスペインは大幅に弱体化。アメリカは南北アメリカ大陸と太平洋のほとんどにおいて、スペインの影響力が一掃し、代わりに影響力を持つという、覇権の移譲とも取れる流れになった。
とは言え、太平洋においてはスペインの影響力は若干であるが残ることとなった。
戦前の太平洋におけるスペイン領は、フィリピンとマリアナ諸島、そしてカロリン諸島であった。
戦後、フィリピンはアメリカへ。グアムを除くマリアナ諸島とカロリン諸島は米西戦争後にドイツへ売却された。
では残ったグアム島はどうなったかと言うと、、、
米西戦争中に日本へ売却されていたのである。
交渉は同年の6月から行われており、交渉時間を稼ぐために日本はアメリカの要求を断ったことも一因に挙げられる。
日本がスペインに挙げた譲歩は、グアム島におけるスペインの民間・軍事使用の許可であった。
交渉時ではフィリピンにおけるスペインの敗北は目に見えていたため、少しでも影響力を残すために、結果的にスペインはこの交渉に乗り、同年7月、グアム島は日本に売却された。(実際にはスペインと日本の雑居地のような場所となった)
最終的に、この戦争で日本としてはグアム島を手に入れ、得るものもあったものの、太平洋にアメリカの拠点を構えられ日本は北方だけでなく、南方にまで危機感を持つこととなったのである、、、
周り、敵だらけなんだが、(涙)
次回、建艦競争
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