案内役のお姉さんは美人(絶対)
「ようこそいらっしゃいました!私の名前はリラと言います!皆様の案内人を務めさせていただいております!よろしくお願いいたしますね♬」
そう俺に語りかけるは、大都会を歩いても、めったに見かけられないレベルの美人。ファンタジーの世界よろしく、貴族の服…いや、執事服にも似た装いだ。くいッと上げる黒縁眼鏡がポイント高い。その可愛らしい口調とは裏腹に凛とした空気を身にまとっている。これが、できる女性ってやつか。
「リラさん、ですね。はじめまして。俺の名前はイッセイと言います。よろしくお願いします!」
「イッセイさんですね!はい!改めてよろしくお願いします。さて、さっそくではございますが、私は案内人として、リベルテにいらっしゃる皆様に、この世界の説明をすることができます。もちろん、『そんなこといいから早くやってくれ!』という方はすぐにでも、世界へ向けてご案内いたしますが、いかがなさいますか?」
「ぜひ、お願いします!」
そう答えるや否や、リラさんは、コホンと咳払いをして、この世界の概要を教えてくれた。本当にざっくりとしたものであるが、まずは、この後に最初に飛ぶ場所は、人によって異なるらしい。この後に控えるキャラメイク如何でランダムに設定されるため、自分が、どこで何ができるのか、また、どんな世界になるのか、それも行ってみるまで分からない。ある意味最初から運試しだ。ではキャラメイクとしてできることは何なのか。これは、種族と性別、年齢を決めることだけ。この世界の中では、年は取らない。つまり、見かけとしてどんなアバターにしたいのかを決めればよい。よくあるスキルの選択や、職業の選択というものはなかった。なぜか?それは、実際にユーザー自信が経験したことをもとに身につくものだからだ。では、いわゆるステータスに依存する項目はないのかというと、そういうわけでもない。この種族、というのがそれにあたる。
ざっと見ると20を超える種族が並んでいる。この中で、好きな種族を選ぶのであるが、この種族によって得手不得手があるらしい。わかりやすい例でいうと、ドワーフは力が強く、エルフは、魔力が高い、といった感じだ。しかし、これもあくまで傾向だけのようだ。ただ傾向とはつまり、効率に直結する。つまりは、自分がどのようなロールにするのか、どう楽しみたいかを最大限発揮できるようにしていくのが、お勧めらしい。
では、俺のしたいロールプレイとは何か。決まっている。モンスターを一緒に旅することよ!!