森は辞任か解任か
森氏の不適切発言で辞任を求める人は、論理がいささかおかしいと思う。
組織に不利益をもたらしたというのなら、辞任ではなく解任でなくてはならない。今回の件ではわからないが、損害賠償というものを考えた場合に、辞任では請求できない。そのために辞任させずに、解任という方法を取る。
よく言われるのが、辞任では退職金がでるが解任では出ないというようなことだ。組織として責任を取らせるには安易に辞任を認めず、解任させるほうがいい。
では、彼は解任されなかった場合、そのままいすわれるかというとそうでもない。
自分の倫理感に反していたり、組織への不利益が予想される場合には辞任することになる。
女性が多いと会議時間が倍になるといった。かれは50分で終わった会議の後、40分しゃべっていた。つまり、かれは自分が会議時間を倍にしている。
またかれは、競争心が強いのか、マイクを向けられると何かしゃべらなくてはいけないと思うようだ。
きわめつけはその時の会議のトップである山下会長を差し置いて長々と話していた。これは、わきまえていないとしかいいようがない。
つまり、かれは自分が批判した行動をその場で実際に行なっていながら、何も感じていない。これでは組織の長としての任務遂行はできない。自分の倫理感に反する行動を堂々と行なっている以上、解任されなくても辞任する必要があるだろう。
結論は、組織で先の発言が解任に値するかどうかを決議し、解任されない場合は自身の倫理感によって辞任するというのが正しい手続きではないだろうか。
海外から見て、辞任では組織の体質が疑われる。解任してこそ、組織の健全性がアピールできる。しかし、解任したら組織内にとどまれなくなる。日本としては、忖度だけではなく実質的にも内部にいてもらいたいというのが本音だろう。だから辞任で、別のポストにとなる。しかし、これでは海外からはまったく評価されないことを周囲はわかっているのだろうか?