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異世界で知ったホントの家族  作者: 桜江 李彩子
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主を探しに行こう

「主様を集める?」


 場所を変えリュツイさんを混ぜて話を始める。

 ディミータさんのアイディアを聞いたリュツイさんは首をかしげる。

 たしかにそれだけじゃ何を言っているのかわからないと思う。


「そ。主を集めてちきゅうとの扉を作ってもらうってわけ。もし無理でも誰がからちゃんをここに連れてきたかわかるだろうしアスランのこともわかるはずだからやって損はないと思うよ」


 お茶を飲みながらディミータさんはリュツイさんに説明する。


「ほら、もうじき宮巡りがあるでしょ? それのついでに主に協力してもらうって感じでやれば業務にも影響ないでしょ?」

「ええ、まあ、こちらには影響はありませんが……主様は協力してくださるでしょうか?」


 私もそこが気になる。運命様は協力的だったけど他の主様が同じとは限らない。

 現に招待しても来られない主様とかいるし……。

 そこのところはそう考えてるんだろう。


「さあ? さすがの僕も個人のことまではわかんないよ。でも、話せばわかるんじゃない?」


 わあー。不安しかない。

 話せばなんとかなる相手だったらいいんだけど……あ、それより


「ところで、宮巡りってなんですか?」


 さっきチラッと出てきた言葉だけど何かの儀式の名前かな?


「以前言っていた正式な参拝のことです。四柱(よつはしら)全員を回るので、宮巡りと呼ばれているのです」


 あー、なるほど。


「期間は三ヶ月予定しております」

「え!? 長くないですか?」

「いえ、むしろ短いくらいです。訪れに行く先々で、韓紅花様の歓迎パーティーなどがあるため、このような日程になっています」


 三ヶ月の出張……。


「まずは、ここから一番近い運命の宮。次に生命の宮を訪れます。その後、大罪の宮に行き最後に空間の宮に参ります」

「生命の宮は僕の国にあるからゆっくりしていってよ! パーティーも盛大にやる予定だし!」


 ディミータさんがウィンクする。

 パーティーってことはお偉いさんが沢山来るんだよね。また、人前に出なきゃ行けないのか……。


「細かい日程がでしだい報告させていただきますね。それでは、(わたくし)は失礼させていただきます」


 席を立って一礼してからリュツイさんは部屋を出ていく。


「あーそっかー。あいつ、これから会議なのかー。ふーん……」


 ディミータさんがにやりと笑う。

 よく聞くいたずらっ子みたいな笑みだ。


「小うるさいルギオスも会議で居ないことだし……ねえーからちゃん、僕と()()()()しない?」


 金色の瞳が怪しく輝き出す。

 ディミータさんの鼻先と私の鼻先がくっつきそうなくらいにまで顔を近づける。


 へ? え! へあ!?


「わあ! やっぱりからちゃんってとってもうぶだよね。お見合いでくる僕を堕とそうと考えてる性格ブスとは違うよ……」


 ニコッと笑ったその顔で私の背筋は凍りついた。


「ねえ……」


 そう口が動いたような気がした。

 きがしたって言うのは、言葉が上手く聞き取れなかったからだ。


 なにか大きいものが私とディミータさんの横をサッと通り抜け、直後にドンッという音と衝撃がきた。

 きんっと耳の奥で甲高い音がこだまする。


 ちょっと間があってディミータさんが音のした方、つまり私の後ろの方を見る。


「へえ……」


 不敵に笑う。

 恐る恐るその視線の先を見る。


 銀色に輝く長剣が壁に刺さっていた。


「窓から結構離れてるのに目がいい上に腕もいい。うーん、でも三十点。かすってもいないし何よりウソでも女の子を危険な目に晒すなんて最悪だよね」


 ふふっと笑いながら壁に刺さった剣を抜く。


「安物だけど、強化魔法がかかってる……。結構強力……」

「強化魔法?」

「そ。ただの棒きれでも鉄並みの強度を一時的に持たせることが出来る魔法」


 ほへ〜。魔法にもいろいろあるんだなあ。

 ……じゃない!! 


「え、あの、それってまさか……」

「うん、暗殺だね。状況からして九割方僕を狙ったもの」


 この世界ってもしかして、地球よりかなり危なくない?

 普通、剣なんて飛んでこないよ。

 飛んできたとしても銃弾だよ?

 ……いや、それもないか。…………日本なら。


「はぁあ。まーた、仕事が増えるよ。めんどくさいな」

「めんどくさいって……ディミータさん、もしかしたら、死んでたかもしれないんですよ!?」


 あまりの能天気さに思わず声を上げる。

 対象じゃなかった私は今も心臓がバクバクうるさいほどなっているし、背中には冷たい汗を大量にかいてる。

 なのになぜ、当人はまるでゲームに負けて後片付けをする子供のように振舞っているのだろう。


「そうだね。死んでいたかもしれない。だけど、僕はそう簡単に死なないんだ。だって、人の子じゃないからね」


 笑った顔の奥に恐怖を感じた。


「僕はこれの報告に行ってくるよ。ああ、窓はきちんと閉めておいてね。それから、護衛の人を外に呼んでおくから」


 じゃあね、とディミータさんは部屋を出ていった。

 パタンっという音がやけに大きく聞こえた。

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