表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/29

恵瑠が起きた!

お知らせです。この連載小説の登録必須キーワードに「異世界転生」というタグをつけていましたが、転生とは全く違ったものだったので、消させていただきました。

なんていうか、申し訳ありません。


それでは、引き続きお楽しみください。

 前回、恵瑠の奪還に成功した翼、春香、ミアは恵瑠の家に行き、恵瑠をベットに寝かせ、今後の問題について考えていた。問題というのは、影の恵瑠のことだ。

「あの影恵瑠、次は絶対に逃がさないんだから!」

「お、落ち着いてください、ミアさん。」

「まいったなぁ、まさか、目的も明かせずに逃げられるとは・・・。」

「い、今は恵瑠ちゃんが目を覚ますまで大人しく待ちましょう。」

「あ、それにしてもさ、翼。」

「ん?」

「なんで翼が恵瑠を斬った時に二つに分かれたのよ。普通死ぬわよ?」

「ああ、あれは恵瑠斬ったんじゃなくて、恵瑠の精神を斬ったんだよ。」

「まさか、本当にミス・ソルシエールの言うとおりにできたの?」

「目に見えてしまえば、個体として存在するものもしないものも関係ない。」

「ふぅ~ん、あんたなぞねぇ。」

「話がそれたが、あの影、どこに行ったんだ?もう森の中には気配は感じないな。」

「あいつをどうやって倒すかわかれば、こっちの勝ちは決定なのに!」

ミアは握りこぶしをぎりぎりと握る。

「あの、それは・・・、恵瑠ちゃんにしかできないことだと思います。」

「え、どうしてそう思うのよ、春香。」

「影の恵瑠ちゃんが放っていた黒い光、何だかだいたい予想できたんです。」

「あ、あれか・・・。何なのか私にはわからないわ。」

「あれ、影の雷、なのだと思います。」

「影の雷、か。恵瑠が光の雷を操れるのなら納得がいくな。」

「そうだとしたら、影の雷の対となる雷、つまり光の雷だけが、たった一つの抵抗力だと思います。」

「なるほど、つまり春香は恵瑠が起きないと何も始まらないというのね。」

「はい。」

「悔しいけど、確かにそうね。でも、どんだけ寝る気なの!?こいつ!」

「落ち着け。体を乗っ取られていたんだ。思ったより疲労が溜まっているんだろう。」

「ゆっくり待ちましょう。」

 それから何時間もたった。気が付けば外はもう暗くなっていた。翼は春香とミアに「もう帰ってもいい」と言ったが、「起きるのを待ちたい」と言いここに残っていた。

「・・・・・ん・・・・・・・。」

恵瑠がピクリと動く。三人は恵瑠に目を向けると、恵瑠の目が開いていた。

「え、恵瑠ぅ!もうっ、心配したのよ!?」

「恵瑠ちゃん!よかった、どこか悪いとことかないですか?」

「春香、ミア。」

恵瑠は起き上がり、奥から見て安心した表情をしたいた翼が立っていた。

「翼・・・。」

「記憶はしっかりしているか?」

「いいや・・・、ただ、夢を見ていた。ずっと昔の夢を。」

翼はこれまでの出来事をゆっくりと話した。

「そっか・・・、私がみんなを・・・・・。」

「なにを、あんたじゃなくて、あんたの影がやったんでしょ!?」

「恵瑠ちゃんは何も悪くありません。仕方のないことなのです。」

「でも・・・、私が・・・ここに来なければ・・・・・。」

「落ち着け、目覚めたばかりだから混乱してるんだろう。夜明けまで休んでろ。春香とミアも。作っといた味噌汁あっためてくる。」

と言い翼は下の階のキッチンに行ってしまった。それから四つのお椀が乗ったおぼんを持ってきた。

みんなで食事を済ませ、翼以外はそのまま眠りに落ちた。

 午前六時、翼は外に出てみたが外は暗いままだった。いや、むしろ寝る前よりも暗くなっているのは気のせいだろうか。家の中に戻り白米と味噌汁を用意し恵瑠たちを呼びに行き、食事を済ませ、今後のことを話し合うことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ