教えて!ミス・ソルシエール!
場所が変わり、陰陽の里では、仕事終わりの翼と修行を終えた春香が立ち話をしていた。
「翼さんもそろそろこの生活にも慣れてきましたか?」
「う~ん、慣れてはきたけど、仕事は忙しいな。恵瑠の奴、これ一人でやってきたんだろ?たいしたもんだ。」
「そうですね。」
「お~い!」
話をしていると、遠くから、声が聞こえた。翼が「あそこだ」と指を指した方向にミアが飛んでくるのが見えた。
「ミアさん?そんなに慌てるなんて、珍しいですね、どうしたんですか?」」
「は、春香、翼もここにいたのね。」
翼はミアの慌てようからして、よくないことが起きたのではないかと思った。
「ミア、何かあったのか?」
「そ、そうなのよ!緊急事態なの!」
ミアは今まで起こったことを翼と春香に伝えた。
「そ、そんなことが?」
「そういえば、師匠が清爽の森の方に邪悪な気を感じたと・・・。」
「早く言ってくれ!」
「ど、どうすればいいかしら。」
「闇雲に突っ込むのはさすがに危険ですね。」
「・・・・・ミス・ソルシエールのところに行きましょう。何か知ってるかも。」
こうして三人はマジョノ町に行き、ミス・ソルシエールの屋敷に足を運んだ。
門の前にはセバスチャンがいた。
「ミアさん、こんにちは。春香さん、お久しぶりです。そちらの翼さんは初めましてですね。」
「あ、あんた、なんで私の名を・・・」
「セバスチャン、ミス・ソルシエールはいる!?」
「ええ、いますよ。ミア様が来たら、早急にミス・ソルシエール様の元へ案内するように命じられています。」
「話が早くて助かるわ、早くしてちょうだいっ!」
「かしこまりました。」
セバスチャンはミアたちを屋敷にいれ、ミス・ソルシエールの元に案内した。
「ミアたちよ、待っていたぞ。話を聞かせておくれ。」
ミアは今までのことをミス・ソルシエールに話した。
「ほうほう、恵瑠の身に何かが起こると思っていたが、まさか、影の恵瑠が目覚めたか。」
「影の恵瑠ちゃん、ですか?」
「ミス・ソルシエール、影って何よ?」
ミアがミス・ソルシエールにそう聞けば、翼が口をひらいた。
「この世界に生きる人々の強い怨み、悲しみ、怒り・・・、強い負の感情から生まれた生物。それが影。」
「翼?」
「影はみんな別の空間に閉じ込めている。しかし、時には人の裏人格として人の中に眠っていることもあるそうだ。」
「ほほう、知っているのか。おぬしが何者か興味があるが、それを聞くのは別の機会にしよう。」
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
「ところで、おぬしら、恵瑠の能力について、何か知ってるか?」
「う~ん、私たちは見たこともないけど・・・。」
「そういえば翼さん、恵瑠さんと出会った時、戦ったと言っていましたが、恵瑠ちゃん、どうやって戦っていましたか?」
「んん~。」
翼は恵瑠と初めて出会った時のことをじっくりと思い出す。
「そういえば、雷を・・・、ただの雷ではなかったような・・・。」
「なんだと?」