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僕は魔王が嫌いだ。

作者: 篠縁 英晃

魔王だなんて言っても、ただの人間なんだもの。

周りが魔王魔王と持て囃して、本人もいい気になって名乗り始めて。

なにが、「好きに呼んでもいいけど、周りは魔王と呼ぶね」だ。

まるで王様にでもなったような状態で。君は王でも神でもない。ただの人間だ。

ああでも、周りは神のような扱いをしてくれたかもね。あるいは宗教の宗主。

君を魔王魔王と崇める人たちは、怪しげな宗教を作り上げているみたいだったよ。

そして、君はそれを止めなかった。むしろ、促していた。


だから、僕は君が嫌いだ。


僕みたいななんの力も持たない、君が取るに足らないと切り捨てた一般人に、勇者でも何でもない一般人に、殺されるんだ。


君と僕は友達じゃなかったけれども。知っている人間が壊れていくのを見るのは心苦しくてね。


だから君を殺した。ただのナイフで。魔法も何もかかっていない、ただのステンレスのナイフ。


信じられないっていう顔をしてるね?


ほら、こいつを殺せって言えよ。

魔王なんだろ?生き返ることだって簡単だろ?


さて。

誰もいなくなった屋敷から、財宝を掻っ払って去るとしますか。

もし君が僕の言葉を信じて、知っている人間だ、という言葉で信者を呼び出さなかったなら。


魔王もずいぶんと愚か者だったってことだね。僕は君を知らない。

真実だったのは、君という魔王が嫌いだっただけ。宗教とか崇めるとか、ぜんぜん関係なかったよ。


さよなら、僕の大嫌いな魔王。

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