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Lady's battle for a girl (上)

 




「おかえりなさいませご主人様ー!」

「エリーゼさんのバカー!?」

 エリーゼさんの折り目正しく曲げられちょうどいい位置に下げられた頭に回し蹴りを叩き込んだ。

 ぎゃっ、と短い悲鳴を上げて倒れるエリーゼさん。

「あ、秋穂様、何を……」

「助けに来てくれるって、信じてたのに……!」

「秋穂様……?」

 実はただの八つ当たりですが。なんて言うと私の株が下がるので言うまでもなく。

 エリーゼさんの頭をしたたかに(使い方あってる?)踏み付けながらしくしくと泣き真似なんかしてみる。

「あぁ……んっ……」

 なんか足下から艶っぽい声がしたけど聞こえなかったことにして、ぐりぐりと下にさらに力を加えてやる。ほれほれ。

「……秋穂ちゃんにエリーゼさんは何? まだ日の出てるうちからレズのSMプレイとか勘弁してほしいんですけど」

「うっさいわお客様」

 ひょっこりとリビングの方から顔だけ覗かせてとても心無きお言葉を寄越してくれるお客様もとい、昭文さん。

 何でこんな時間に昭文さんがうちに来てるのか知らないが、たぶん上げたのはエリーゼさんだろう。そうじゃなかったら大変だ。

 昭文さんはピーターラビットのイラスト入りの水色のマグカップを傾けながら冷ややかな視線をくれている。ええい、様になってんなこの近所のお兄さんっ。

「てか、それ兄さんのカップなんだけど使わないでくれる?」

「ん? エリーゼさんがお茶淹れてくれたから使ってたんだけど、客様用じゃなかったんですか」

 足下のエリーゼさんのおっぱいを足でぐりぐり。アンタ、よりにもよって兄さんのを他人に使わせるとは……! 私のでも許さなかったけど!

「……まあ、ごめん」

「いーえ。昭文さんが謝ることじゃないわ。うちのメイドのミスですもの」

 足下からやっぱり艶っぽくてさらには熱っぽさまでする嬌声が。もしかして、やり過ぎたかもしれない。

「それよか昭文さん、何でこんな時間にうちに?」

「あー……」非常に言い辛そうな顔をしてエリーゼさんを一瞥し、口を開いた「お昼ご飯のお礼にってお茶もらってた」

 他人様んとこでご馳走になってきたのかっ!

「アンタそれでも本職の家政婦なの!?」

「ヒィ!? ご、ごごごごごめんなさいぃぃぃいいいい!」

 がばぁと起き上がって泣いて逃げてくエリーゼさん。昭文さんのいるリビングへと逃げ込んでしまった。昭文さん苦笑。

「まったく……」

 もう何だかなぁ。

 エリーゼさんの泣き顔にすっかり毒気を抜かれてしまってもう怒る気にもならない。そういえばお昼ご飯どうしろとか言ってなかったから自由ってことで昭文さんとこのお世話になったああもう正当な理由考えるにもまだるっこしくてメンドー。朝から変なんに絡まれてばっかで家では八つ当たりついでで何で怒ってて頭ん中ぐちゃぐちゃしてきた。てか、八つ当たりとか悪いのモロ私じゃねーか。

「……私、」

「うん?」

「ケータイ買いに行くから」

「はい。いってらっしゃい」

「ついてきなさい。メイド」

「え……私ですか!?」

 ちなみに今の会話の最後にしかエリーゼさんは口を挟んでない。私と昭文さんの会話に口を挟むスキがなさすぎ。あとエリーゼさん驚きすぎ。

「そうよ」

「えっ。ええ……」

「ほら。早く!」

「は、はい!? ただ今すぐに!」

 あー……。

 何かまだやっぱりなぁ。

 馴れないというか、馴れてないというか、なんだかなぁ……。







 


そろそろ内容的に本題へと進んでいきたいなーとか思ってたりなかったり。

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