~If I can be reborn.~
初投稿?初なろう。
更新予定週2回ぐらいです。(予定は未定)
よろしくお願いします。
ここから物語は動き出す。彼の手で、彼の人生が……いま。
キーボードをカタカタと鳴りしながら、冷めたインスタントコーヒーを啜る。
すでに消灯時間を過ぎ、丑三つ時に差し掛かろうとしている真夜中で、ひとり寂しくパソコンと向き合う。
暖房を入れたいところだが、あいにく今月もピンチで、必要最低限の光熱費で生活することはや4年。
社会という最も不平等で過酷な世界に飛び込んでからも、それぐらいの時間が経とうとしている。
「……足、寒いなぁ」
と言ってみたところで、冷え切ったつま先が温かくなるはずもなく、薄汚れた膝掛けを足に巻いて忍ぶしかないのだ。
それに加えて、どこから入ってくるのやら、睡魔に襲われたところで、首筋をなでるすきま風に悪戯されるたびに、嫌でも意識が戻ってくる。何のためにこんな事をしているのか、目的も目標も見失いかけている現状に嫌気がさす。
「この書類が書き終われば、もう休める」
布団に飛び込む自由すら得られない現実から、逃れることはきっとこの先も、永遠に訪れることはないだろう。
そう、思った。