(2) 町中にて
町が見えてきた。しかし・・・。
「なんかねえ・・・。活気がないねえ・・・。何か町全体が疲れてるかんじだな。」
エウリアも似たような感想をもっていたらしい。
「そうそう、そういう感じ・・・。何かあったのかなあ・・・。」
とはいえ、今更他の町に行く余裕もない。お腹的にも・・・。
というわけで
「ま、町の中に入ってみてから、町の人に事情を訊いたらいいんじゃないか?」
実際他に方法はない。それに、ここに住むわけではないのだから、
それほど問題でもない。あくまで興味だ。
「全くお気楽な・・・。」
エウリアは真面目なのだろう、呆れ顔だが・・・。
俺達は町の入り口に歩いていく。
入り口といっても少し大きな門があるばかりで、見張りの番兵もいない。
さらに、大きな門と繋がっている塀も一応あるもののその気になれば乗り越えられるほど低いものだ。
「無用心だねえ・・・。」
思わず俺が呟いたが
「ここは教団領との国境境だからね・・・。どこかが攻め込むということもないだろうし。」
エウリアがしみじみと言った。
そんな会話をしている内に町の入り口にたどり着いた。
しかし、入っても・・・活気がない。
町を入ってそのまま道なりを歩いていくと、歩いている町人にあった。
これも何かの縁だろう、話を聞いてみることにした。
「こんにちは、あの、この町に住んでますか?もし、住んでいるなら、良ければ、
この町が活気がない理由を教えていただけませんか?」
エウリアが隣でぎょっとした顔をしている。
「ぶっちゃけ過ぎだろう・・・。まだ、活気がないと決まっているわけでもないのに・・・。」
・・・過ぎたことは悔やんでも仕方がない。
エウリア、ジト目。
しかし、町人さんはそんなことを気にすることもなく、こういった。
「いや、お構いなく、・・・こっちも誰かに愚痴りたいぐらいなのです・・・。」
「えっ!?」
思わず、声が揃った。
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