シエルの力
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オルゲーユが離れると、タイトな赤いスーツに身を包んだモデルのような女性が教室に入ってきた。
「皆、入学式ご苦労。私がこのクラスの担任となるエティークだ、よろしく。早速だが先ず学生証を配るからな。」
そう言うとエティークは一人一人にクレジットカード程の大きさの金属板を配っていく。
「これで全員に渡ったな。」
「先生何も書かれていないのですが?」
一番最初に配られた生徒が質問する。
「今から説明する。先ず自分の魔力を学生証に通せ。それで個人登録・認証が出きる。」
シエルが魔力を通すと、文字が浮き上がってきた。
プヴォワール学園
一年三組 シエル・セヴェール 15歳
校則
「全員登録は終わったな。次に使い方を説明する。校則に触れると校則が表示されるから後で読むように。次に自分の名前に触れてみろ。」
シエルが名前に触れると表示されていた文字が変わる。
氏名 シエル・セヴェール
年齢 15歳
種族 人族
魔力値 498000
発現値 7700
契約精霊 光の大精霊
魔力系統 火・水・風・地・雷・氷・光・ 闇・時・空間・錬金
「項目について説明する。氏名年齢種族は言わなくて良いだろう。魔力値は自身に宿る魔力の量だ、発現値は一度に使える魔力の量。契約精霊は契約を結んだ精霊の属性と階級、魔力系統は魔術で発現出来る属性を示している。少し時間を取るから他の人のも見せて貰うといい。」
「シエル、見せていただけませんか?」
「いいよ。」
シエルとリュンヌは互いに学生証を渡すと早速見てみる。
氏名 リュンヌ・ソレーユ
年齢 15歳
種族 ハーフエルフ
魔力値 65800
発現値 2200
契約精霊 氷の大精霊
魔力系統 火・水・風・地・氷・光
「やはりすごいですね。魔力値498000に全属性の魔力系統、発現値は7700ですか。」
「まあ、グラース様のおかげだけどね。」
「それで、慢心しないところがシエルの良いところです。」
「2人の学生証を見ても良い?」
「いいよ。2人のも見せてくれる?」
「もちろん。」
「いいぜ。」
2人が話しているとルーとエヴァンターユが聞いてくるので学生証を交換する。
氏名 ルー・パリュー
年齢 15歳
種族 獣人狼族
魔力値 15400
発現値 970
契約精霊 火の中位精霊
魔力系統 火・地・風
氏名 エヴァンターユ・ルナール
年齢 15歳
種族 獣人狐族
魔力値 33800
発現値 1320
契約精霊 風の上位精霊
魔力系統 火・水・風・地
と表示されていた。
「え、えぇーーーー、何これ。」
エヴァンターユがシエルの学生証を見た途端に声を上げ周りの注目を集めた。
「どうしたんだ?」
「ルーこれ見て。」
エヴァンターユはルーにシエルの学生証を渡す。
「なんだこれ?シエル人族なのに魔力が498000も在るのか?神に近い魔力じゃねえか。しかも魔力系統が全属性ってどんだけだよ!」
ルーの発言を聞き周りに居た全員が驚いていた。
「いろいろあってね。」
「いろいろってお前・・・、普通じゃあり得ないだろ?」
更にルーが言い募ろうとしたときに鐘が鳴り、エティークが声を発した。
「静かにしろ。今日はこれで終わりだ。各自私に学生証を渡して寮に戻るように、明日は一年間組むコンビを発表する。その時に学生証を返すが、それ以降学生証を肌身放さず持っていること、無くした場合厳しい罰則が在るから注意するように。それからクラス内の役職などを決め、その後オリエンテーションを行う。以上。」
エティークが話し終えると1人ずつ学生証をエティークに渡して教室から出て行く。
「俺たちも行くか、シエル、学生証の表示がどういう事か後で教えてくれよ?」
ルーが言いながら席を立つ。
「ごめん。僕の魔力量や魔力系統を話すのはいいけど何故これだけあるのか話すのを王様から口止めされているから教えることが出来ないんだ。」
「そうなのか?」
「うん。ゴメンね。」
「王様からの指示じゃ仕方ないか。とりあえず先生に学生証を渡して寮にいこうぜ。」
「そうだね。リュンヌとエヴァンターユも一緒に行こうよ。」
「はい。」「うん。」
4人はエティークに学生証を渡すと寮へと向かった。
4人は寮に着き中に入るとそこはホテルのロビーの様になっており1人の女性がカウンターにいた。
「すみません。」
シエルが4人を代表して声を掛ける。
「初めてまして。私はここ琥珀寮の寮長をしています、エメ・リキュイです。皆さんは新入生の方ですね、よろしくお願いします。」
「シエル・セヴェールです。」
「ルー・パリューだ。」
「エヴァンターユ・ルナールです。」
「リュンヌ・ソレーユと申します。」
「「「「よろしくお願いします。」」」」
「シエル・セヴェールさん、ルー・パリューさん、エヴァンターユ・ルナールさん、リュンヌ・ソレーユ様ですね。では皆さんに部屋の鍵を渡しますね。荷物は部屋に移動してありますので自由に使って下さい。」
4人は部屋の鍵を受け取る。
「次に寮について説明しますね。一階にはここロビーと食堂、多目的ホールが在ります。食堂の利用時間は朝が5時から8時、昼は12時から13時、夜は18時から21時が利用時間です。多目的ホールには、テレビやソファー、ドリンクバーなどがあり男女生徒共に利用でき、いつでも利用できます。二階以上は学生部屋となっています。東棟は女子生徒、西棟は男子生徒が住むことになっています。室内はすべて同じで10畳の部屋とキッチンスペース、トイレとお風呂がついています。門限は22時でそれ以降は中に入れません。門限以降の外出は事前申請が必要になります。以上で説明は終了です。質問は有りますか?」
「門限に遅れた場合どうなりますか?」
「遅れた理由によりますが、基本反省文を書くことになります。何度も遅れると、進級がかかって来ますから注意して下さい。他に質問は有りますか?」
シエルが3人に振り向くと3人共首を振った。
「いえ、無いです」
「わからないことが有りましたら、お知らせ下さい。それでは良い学園生活を。」
「「「「ありがとうございます。」」」」
「じゃあ19時に食堂で。」
「またね。」
「はい。夕食の時にお会いしましょう。」
「またな。」
それぞれ挨拶をして自分の部屋に向かう四人だった。
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