52思考
アズ目線です
「俺が唯一出来るようになった魔法・属性だ」
オーウェンが言う。
…属性?
何だろうか?それは。
聞いたこともないんだが。
「光…の属性…」
光?
何の話をしているのかさっぱりだ。
ーと、オーウェンが仕掛けた。
一気に突っ込んでいく。
しかしロイズに傷を付けたのは魔法を発動させた大きな剣の方では無かった。
懐から出したダガーである。
…ええぇ!?もう関係無くないですか?魔法。それを発動させた意味は?
アズは1人混乱していたのでロイズが黒い液体をドバドバ出していてもあまり驚けなかった。
そしてよく見ると落ちた液体は白く変化して蒸発している。
が、瞬間。
我が目を疑った。
液体の色が変化したときに一瞬、人の顔が浮かび上がった気がしたのだ。
いや、気のせいではない。やはり顔が見える。男も女も子供も老人も、老若男女色んな人が弾けている。
何なのだろうか、あれは?
人?人の魂なのか?あれが魂だとするならば、ロイズは大量の魂の集合体のようになってしまっているのだろうか?
と、いうことは…いや、ちょっと待て。焦っても答えはでない。まず、あいつは今までどんな奴だった?ころころ態度、というか性格が変わる奴だった。そう、性格が変わったようだった。ようだった、んじゃない。本当に中身が違う人だったのか?おそらくそうだろう。あいつがビリー・モリガンとかじゃない限り、あんなに沢山の人格を使い分けるのは難しい。
ならやはり、あいつは何千か、何十万人か、それ以上か、数字は分からないけれど魂の集合体なのだ。