48夢に入って
落ちる
どんどん落ちていく
「っぅわああああああああああ―――――――――――――――
…
ドサッ
ドサッ
「…っはぁ!はぁはぁ、何だったんだ、今の…」
アズは思わず呟いていた。
というのも、(アズは気絶していたので知らないが)ロイズが無理やり夢を開いたことにより、よく分からないが、時空が歪んでもう信じられないくらい無茶苦茶に飛ばされたみたいなのだ。
しかし幸運な事に、落ちたところはあの扉の前。さらに、近くに落ちてきたのはオーウェンだった。
「あの扉…。だから地面に落ちることが出来たのか。落ちたのがここじゃ無かったらどうなってたんだろう…」
「…もうなんなんだ…」
「オーウェン!大丈夫か?」
「なんとか…。さっきの衝撃で色々縄とか千切れて飛んでったっぽいし…」
確かに言われて気づいたが、拘束が無くなって自由になっている。
「それより、あいつは?どこにいる?」
「落ちてきた音はしなかった。もう少し遠くに飛ばされたのかも。というか、もう大体分かったけど、何でこんなに飛ばされたんだ?」
「多分、ロイズが無理やり連れてきたから?かな」
「やっぱり…」
そして、
アズはある事に気づいた。
「?」
「どうしたんだ?」
「や、何で床が崩れないのかなって…」
「どういう事だ?」
「ここ、前に2回、来たことがあるんだ。その時俺しかいなくて、取り合えず歩いてみたらずっと先の方に扉を見つけて、そしたら急に床が崩れ始めた…」
「でも、今は崩れてないな」
「何でだ?…一人じゃないから?」
「それは恐らく、この世界が、不安定だったから、だ」
「ロイズ!」
少し離れた所にロイズはいた。そしてこちらに歩いてきていた。
「扉は、どこに、ある」
肩で息をしているように見える。さらに目を凝らしてよく見てみると、服もぼろぼろだ。
「何でそんなぼろぼろに…」
「俺が異分子、だからだろ。無理やり、ここに 入ってきたし。それより、扉はどこなんだ!」
「言うわけないだろ」
その時ロイズの後ろで黒い点が浮かび上がってきた。