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45薬
起きると体が動かなかった。
夢での発見ですっかり忘れていたが、昨日から拘束されたままだった。ご丁寧に椅子にまで座らせて。
全く、全然動けないじゃないか。
はぁ、とため息を吐くと、オーウェンが目を覚ましたようだった。
「…」
無言だったが体の節々が痛くなっていることが伝わってきた。
ガチャリ、と戸が開いた。
「で、泉は見つかったの?」
開口一番、ロイズはそう聞いてきた。
「探したんでしょう?夢で」
「まだ見つかってない」
「ふぅ、君は強情だね。じゃあそんな君にはこれをあげよう。ジャジャーン、自白剤!」
内ポケットから小さなビンを取りだし、掲げた。
「「…」」
「二人ともなんでそんなに冷めた目をしているの?」
「「…」」
キュポッと蓋を外し、
「飲め」
アズの口に指を突っ込んで無理やりこじ開けると薬をぶちこんだ。そして素早く口を閉めると押さえたまま鼻をつまんだ。
思わず飲み込んでしまう。
二人に一切の反応や自由を与えない、一瞬の出来事だった。
「アズ!」