43気づいたこと
「ここ、どこなんだろうな?」
「ロイズのアジトっぽいけど…。思ったんだが、あいつキャラクターが全然違くなかったか?」
オーウェンは腕組みをした。
「確かに、言われてみれば…。最後とか、お前誰だよって感じだったな」
「あいつ、いつも余裕な感じだったよな?でも今、たくさんの魔法、それも魔力をたくさん使うようなやつばっかりを使ったんだと思う。転送とか、見た目を変えるとか。だから、察するにあいつはめちゃくちゃ疲れてるんだと思われる。で、口調が素に戻ったんじゃないか?色々あったけどでもそのお陰で俺達が手に入った。もうおそらく逃げられる事はない。拷問なんて後でも大丈夫だし、だからとりあえず今は自分の体力を回復させたいんだろう」
「そうか…。で、アズは見つけたのか?泉に続く入り口」
「まだだ」
…!…そうか…
「?
どうかしたのか?」
「いや、なんでもない」
どうにか冷静に返すことができた。ここはあいつのアジトだし、会話が筒抜けの可能性がある。話すことは当たり障りの無いものでないといけない。
だから、今気づいたことも、-推測の域をでないが-話さないに越したことはない。
「仕方ない。とりあえず今は寝よう。あいつもつかれて今日は手を出してはこないと思う。それに寝れるのは今だけかもしれないだろ?体力を回復させないと」
アズはそう言うと、会話を終わらせた。
気づいたことを確かめる為に。