42…
サブタイトルが思い浮かばなすぎる
足から徐々に転送され、遂に全体像が姿を現した。
「ロイズ…」
「ふぅ、大変だった」
パンパンッ、と服の汚れを落とす。少し息がきれている。
「何が目的なんだよ」
オーウェンが聞くと、そこでようやくアズ達に目を向けた。
「そんなの決まってる。夢の世界を使って、やりたいことがある」
オーウェンは訳がわからない、というように眉間に皺を寄せた。
「…俺、関係してないと思うんだけど。夢の世界について」
「昨日アズにも言ったけど、あんたとアズ、二人がいてはじめて、意味があるんだ」
「昨日…?」
アズは思わず呟いた。
「昨日だぞ。何に引っかかる?」
「っいや、何でもないんだ。転送で少し頭が混乱してて…」
手を振りながら慌てて否定する。
そして、考えていた。
あのふたつの出来事は時間的に見て、おそらく一瞬の事だったのだろう。
初めのやつは、あいつ自身に関係している事だった。転送される、というあいつの魔法を受けたことで、あいつの意識に触れた、とか?聞いたことが無い。
「ふぅん?」
じゃあ、二つ目は?夢の世界のようだった。あいつは関係していないだろう。いやもしかしたら、実は関係あった、とか?…それにしても、あの先には何があったのだろう?
だめだ。全然わからない。
「ま、なんでもいいけど。それよりもここからが本題だ。
夢の世界はどこにある?
正直に言えよ」
「…知らない」
「嘘つくんじゃねえ。知らないはず無いだろ」
「本当なんだ!わからない」
「ふん、まぁいい。時間はたくさんあるんだ。じっくり追い詰めるとしようじゃないか」
そう言うと、アズ達を拘束し、部屋を出ていった。