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37集合
壊されたドアから光が射し込み、黒く影が延びている。
逆光で顔がよく見えない。が、そのシルエットには見覚えがあった。
「オーウェン?」
「大丈夫か!?」
オーウェンは息を切らしてそこにいた。そしてこちらに来ようとした。
「!来んな!戻れ!」
叫んだときにはもう遅かった。
「やっとそろった」
ふいに声が聞こえた。
それは今一番聞きたくない声だった。
「オーウェン、とりあえずここから出ろ!早く!」
「おっと、そうは問屋がおろさないよ」
そう言うと壁に手をあてた。
すると、みるみる内にドアは直り、塞がれてしまった。
「ふぅ、これで逃げられない」
ロイズの顔には、はっきりとした疲れが見てとれる。
「逃がしはしない。君達に逃げられるわけにはいかない。やっとここまできたんだ」
そう言うと、オーウェンとアズに両手を向けた。すると三人を取り囲むように大きな魔方陣が地面に現れ、強い風が吹き荒れた。
「「!!」」
二人は思わず目をきつく閉じた。