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33突入
はぁっ
はぁっ
はぁっ
周りからは全力で走る音しか聞こえない。
しかし時たまぶつかり合う音がする。
もう少しだ、もう少しで城に着く。
兵達は大したことがなかった。少なくとも帝都への入り口を守る奴らは。それはそうだろう。身内が襲うなんて考えてないんだから。
不意打ちで、しかもこの人数に、平和呆けした下っ端の兵士は対応できなかった。
徐々に城の下の部分が姿を現していく。
近づくにつれ、周辺を兵達が囲んでいるのが見て取れた。恐らく先程の兵士が連絡したのだろう。
次はさっきのようにはいかない。全力でいかないと。