表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
now loading  作者:
31/57

30あの方

夢から4日後


ガチャリ、と重い扉が開かれた。

少しずつ光が差し込む。眩しくてアズは目を細めた。


「立て。歩けるか?」


と、聞きながらも答えは聞いていない兵士に連れられた。アズはふらふらしながら必死に階段を上った。そして、最上階の牢獄に容れられた。

何故地下牢に容れられたのか理解に苦しむ。


暫くすると牢獄の扉が開かれた。


「こちらです」


国王に連れられて入ってきたのは初老の男。

豪奢な服だった。


「間違いない、こいつだ。お前らは下がれ。少し、話がしたい」


そう言うと国王らを部屋から出した。


「あんたは誰だ?」

「もう忘れちゃったかな?僕だよ」


ばさり

と、ローブを脱ぐと現れたのはロイズだった。


「な…!」

「そんなに驚いてくれるなんて、嬉しいなぁ。今まで化けてた甲斐があったよ」

「それは…魔法なのか?」

「そうだけど?あぁ、皆こんなには出来ないんだっけ」


信じられなかった。

魔法なんて日常範囲内くらいにしか普通出来ない。小さい火を出すとか、ちょっと物を浮かすとかその程度だ。もう少し出来る人はアズのように武器化することも出来るが、姿形を変えるなんて聞いたことも無い。


しかし、とにかく冷静にならねば。


「で、俺をどうする気だ?」

「夢の世界を利用する」

「だと思った」

「それしかないでしょ」


「今すぐあんたを連れて行くわけじゃない。もう少ししたら面白いモノが見れるから、それまではここに居ようと思っている」

「面白いモノ?」

「そう。もう少ししたら、ここに暴徒化した国民が来る」


そういう事か。

おそらくローイ帝国は急激な発展により人口が増え、食糧不足や水不足その他諸々の問題が出て来た。しかしその問題を解決するだけの財力などがこの国には無い。そこで助けを求めた先が(経緯は分からないが、)こいつだった。でもこいつには国を救う気が無い。俺を捕まえる為だけに王の話を利用したにすぎない。


「じゃ、そろそろ行くよ。やることもあるし」


再びローブを被ると始めの初老の男に戻った。そしてそのまま部屋を出て行った。


去り際にニヤリと笑って。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ