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22ローイに向かって

船に乗ってから5日。


ずっと部屋の中だったが、ロイズから外の様子を聞いていたので退屈はしなかった。

又、ロイズとはかなり打ち解けていた。というよりも、彼は話すのが好きなようで、一方的に彼が話している事も多々あったが。


ロイズはこの中では下っ端だったが、育ってきた環境がそうさせたのかは分からないが色々な事を知っていた。

どうやら彼らは、『アイル』という名前・一枚の写真、という手掛かりのほぼ無い状態でアズを捜していたらしい。それ以上に、その命令が下されてからアズを捕まえるまでに3〜4日くらいしか経っていない事に驚いた。たかが破落戸、されど破落戸である。凄過ぎる。

しかし、肝心な事は彼らは知らされていないようだった。則ち、何故アイルを捕獲する必要があるのか、についてだ。乗組員の誰も知らないらしく、依然として分からないままだった。


これらがここで知り得た情報だったが、疑問に思う事があった。


「なぁ、俺にそんなにべらべら話しちゃって大丈夫なのか?捕まってる側だし」

「んー、大丈夫ではないかも知れないけど、一応傷を付けるなとは言われてんだよね。つまり丁重に、だろ?だから質問には答えた方が良いかなって」


…大丈夫じゃないに決まってんだろ。

何だろう、初めに喋った時から思っていたが少し頭の出来が良くはないらしい。読解力的なものに対して。


「ロイズお前、俺にそういう事を話してるって、他の奴らには言ってないよな?」

「言ってないけど?ていうか喋ってくれんのアイルだけだし。下っ端だからねぇ」


のん気か!

あんたは少し危うい立場にいる事を自覚しろ!


「いいか、絶対にばれないようにするんだぞ。本当に話しても良い内容だったなら大丈夫だが、もし、良くない内容だったら、お前は密告者として海の藻屑と化すからな。分かったか?ロイズ」

「そうなのか?そうか…。気をつける」


…俺は敵に対して何を言ってるのだろうか。全く。


「おい、ロイズ!何を話してんだ?最近この坊主にべったりだよなぁ」

「…世話係なので」

「世話なんてなぁ、死なない程度にしとけばいいんだよ!…って、頭が言ってたぜ。そろそろ飯の用意の時間だぜ」


突然現れた男は突然去っていった。


「じゃあ、俺もう行くよ。…これからはあんまりアイルと話せなくなるかもね。でも、注意はちゃんと守るから。じゃ」


ロイズも登っていった。


アズは暗闇に1人取り残された。


そしてオーウェンの事を考えた。船に乗ってから毎日夢に入っているが、会うことは未だ出来ていない。距離が離れているから、とかそんな理由では無い事は分かっていた。あの後、オーウェンに何かあったのだ。確実に。


考えるだけでは、正解には辿り着かない事もまた、アズには分かっていた。


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