18アズ
「小さい方は生け捕りだからな!でかい方は殺せ!」
叫んでいるのが聞こえた。
アズとオーウェンは背中合わせに闘っている。
オーウェンは始めから刀を双振り抜いて、左から来た奴をなぎ払い、目の前の奴の攻撃を右手で受け止めながら左手で頸動脈を切る。その間に右から来た奴の攻撃を、さっき切った奴を踏み台にしてかわし、着地した先の2人を回し蹴りでふっ飛ばす。
アズは銃で闘っていたが、如何せん銃は超近距離では闘えない。途中から魔法で創り出した剣で闘っていた。しかし慣れない剣での闘いは厳しく、徐々に追い詰められていた。
ついに
キンッ、とアズの剣は弾き飛ばされた。
「ちょっと眠ってて貰うぜ」
3人が襲いかかろうとした。
「アズ!」
オーウェンは相手をしていた奴を突き飛ばして、アズの周りの奴らを葬った。一瞬の出来事だった。
「オーウェン…?」
はっ、と我にかえったオーウェンはそのまま闘い始めた。アズもオーウェンの後ろで援護射撃していたが、人数には適わない。
しかも、残った奴らはやたらと強かった。先程までの奴らとは比べものにならない。どう考えても素人ではなかった。
じりじりと後退せざるを得ない。が、すぐ後ろは行き止まりだ。
「オーウェン、」
アズが囁く。
「あいつらの目的は俺だ。生け捕りだから捕まっても殺されはしない。だから、逃げろ。どうにかして隙をつくるから」
「ふざけんな。どういう形であろうと俺達は契約をしたんだ。見捨てるわけにはいかない」
「だから、一旦引いて立て直すんだ。ここで死んだら元も子もないだろ。絶対助けに来いよ。そのまま俺が死んだら末代まで祟るからな!」
「ちょっ「夢で待ってる」
小さく付け足して、アズは飛び出した。