9アストラムの話
昨日は携帯の充電切れてた(笑)
「前にも言ったが、俺の一族は泉を守護している。今は叔父さんが。それは『バニッシュの泉』と呼ばれているんだ。人々は夢を見る。その夢のバランスを保つ為にあるのがバニッシュの泉だ」
「で、どこで知ったのかは分からないがローイはそれを狙ってる。でも、その泉を奪って、どうするつもりなんだ?まさかみんながみんな、夢に入れるようになる訳でもあるまいし」
「泉にはそれ自体に夢に影響を及ぼす力がある。だからそこを利用して例えば、一度に全世界の人の命を奪う事も可能だ」
「全世界!?」
「そう。全世界を。だから俺達はそういう奴が泉に近づけないように、護っているんだ。ずっと昔から。それに、泉には分かっていない事が沢山ある。それを研究してもいるんだ」
そこでアズは一呼吸ついた。
そして少し口調に苦さが混じった。
「何故ローイが狙っているのか、が分かっているのかっていうと、俺達の村に火を放ったのはローイの奴らだからだ。あの日、俺達の村に火が放たれた時、そいつらはローイ帝国万歳、ローイ帝国万歳ってずっと言っていた。その前から不穏な空気はあったんだが、その事で断定された」
アズの村はローイの奴らにやられたのか。
「それから、お前を雇った理由についてだ。確かに用心棒の意味もある。俺は戦闘向きじゃないしな」
「よく言うよ。お前あの時一発も弾を無駄にはしなかった。相当腕が良いはずだ」
はあ、とアズは溜め息を吐いた。
「動かない的に当てるのは簡単だが、動く的には難しい。あの時の、何も考えずに投げられた爆弾に当てるのは簡単だが、思考を持って、相手によって動きを変える人間に当てるのは難しいんだ。それぐらい分かるだろ?」
「そんなに言わなくても。まぁ、俺の100倍くらいは射撃が得意だって事は分かった。で、あの弾は魔術なのか?」
「魔術…。あんたの国ではそう言うんだな。俺の周辺地域では魔法って言っていた。そうだな。あれは魔術だ。だから、弾を装填するためにお前が時間稼ぎをする必要は無い。俺の魔術で自動装填される」
読まれていたのか。頭が回る奴だな。13とは思えん。
アズの話は続く。