表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
94/235

ザコ帰る ~再会~

ようやく再会です

side メリー


やっとだ。

やっとコウサに会える。


「ロッキさん、お願いします!!」


「メリーさん、そんなに忙がないで下さい。貴女は、そんな格好で功才君と感動の再会をするつもりですか?それにあちらに矢は持っていけませんよ」


確かに私は長旅の所為で服も旅塵にまみれているし、髪はボサボサで体も薄汚れていた。


「今日はここでお風呂に入って疲れをとって明日旅立てばいいですよ」


「でも私はすぐにコウサに会いたいんです!!」


コウサがいなくなってからコウサと再会する夢を何回、何十回も夢で見たんだよ。


「コウサ君は今ご家族と一緒に暮らしています。恋人として挨拶に行くのならきちんとした格好をするのが礼儀ですよ。それに異世界に渡るのは体力を消耗します。だから一晩休む事をお勧めしたんですよ」


―――――――――――


次の日、私はようやくさーふぼーどに乗る事ができた。


「プルングの嬢ちゃん、ザイツに伝えてくれ"心配を掛けたんだから酒を土産に買って来い"って」


ガーグさんは、どこか照れ臭そうだ。


「もう、ガー君素直に心配してたって言えばいいのに。本当に捻くれ者なんだから。メリーちゃん、コウサにいっぱい甘えるんだよ」


セシリーさんは旅の間、お姉さんみたいに優しく私を励ましてくれたんだ。


「メリー、早くコウサを連れて帰って来い。じゃないと自分がイントルに甘えられないからな。…メリー良かったね、やっとコウサに会えるんだよ」


もう、ハンナ泣かなくても…

あー、イントルさんの胸に顔をうずめて甘えまくってるじゃない。


「プルングさん、きっとザイツ殿が待ってますよ。そして私達もお二人の帰りを待っています」


イントルさんは優しくハンナの頭をなでている。

コウサ、みんなコウサを待ってるよ。


「それじゃメリーさん準備は良いですか?」


私が頷くとサーフボードが光に包まれて空中に浮く。


「コウサ、今迎えに行くからね!!ホーミングショックアロー!!」


私はブレスレットで作り上げた矢をつがえると、気持ちを込めて射った。



side 功才


こっちに戻って来てから3週間が過ぎた。

そろそろメリーが迎えに来てくれても、おかしくないんだけど兆候すらない。

もしかしてメリー達が異世界に渡る方法に気付いていないとか?


そんな時、ふいに携帯からメールの着信音が鳴り響く。


"コウサ君へ 今すぐ人目につかない広い場所に移動して下さい(^-^)v bayロッキ"


師匠、意味がわかりません。

でも、あの人は何時も俺の予想を斜めに上回る。

この警告には素直に従っておくべきだろう。

家の庭ならある程度の広さがあるから平気だと思う。


メールがついてから5分位たった。

庭に出たのは良いけれど、どれ位待てばいいんだろ?


(これは魔力?どこだ?後ろか!!)


「コウサ、コウサだ!!コウサ、コウサー」


メリー?でも何でサーフボードに乗ってるんだ?

そんな俺の疑問を余所にメリーはサーフボードから飛び降りると俺に抱きついて来た。


「ゴウザー、ゴウザだよねっ?夢じゃないんだよねっ?あれっ、おかじいな?嬉じいのに涙がとまらないや」


ボロボロと涙をこぼしながらメリーが俺の胸に顔をうずめてくる。


「メリー夢じゃないよ。やっと会えたね」


俺は愛しい彼女をギュッと抱き寄せる。


「へへっ。コウサの匂いだ、コウサの温もりだ、コウサだ」


見知らぬ世界で、この暖かい笑顔に何度救われたか分からない。

いや、俺はメリーと巡り会えて初めて自分に自信が持てたんだと思う。

俺とメリーは黙ってお互いを見つめ合うと、キスをした。

3週間、たった3週間だけども、俺達はもう2度と会えなくなるんじゃないかという不安で過ごしていた。

その不安をぬぐい去る様な長い長いキスだった。

メリーを抱きしめながら思う。

俺は彼女ができなかったんじゃない。

この人にメリー以外の女は俺に必要なかったんだと。


「メリー、メリーに会ってもらいたい人がいるんだ。俺の姉妹、爺ちゃん婆ちゃん、尊敬している先輩に。みんなに会ったら一緒に帰ろう、オーディヌスへ」



side メリー


コウサに会えた途端、今までたまっていた涙か止め処なく溢れてきた。

周りは見た事もない建物ばかり。

木々もどこか窮屈そうにしている。

でも、ここにはコウサがいる、それだけで私は満足だ。


「うんっ、メリーもコウサの大切な人にお礼を言いたい。コウサをこんなに素敵に育ててくれてありがとうございますって。そしてメリーがコウサの恋人だって」


メリーとコウサは、違う世界に生まれて、本当ならすれ違う事すら有り得ない2人。

でも異世界から来た弱いのに強い、臆病だけども勇気がある少年と私は巡りあえた。

そして彼は私にとって何よりも大切な愛しい存在。

ある劇で聞いた、彼はやっと巡り会えた私の半身だって台詞、その時は劇ならではの甘く夢みがちな台詞にしか思えなかったんだ。

でも今なら分かる。

メリーの半身はコウサ、コウサの半身はメリー。


私とコウサは世界を越えてお互いを見つけれたんだ。


なんとか再会までこぎ着けれました。

オーディヌス編考えなきゃ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ