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ザコ帰る ガーグ冒険者隊とロッキさん

ロッキ師匠は人気投票で功才父と並んでマイナス票を獲得しました。



side メリー


ブラングルの町で聞いたら、この近くに塔なんてないんだって。

だけど不思議なお話を聞く事ができたんだ。

ブラングルから隣の街まで通じている街道には分かれ道があるみたい。

でもその道は鬱蒼とした森で途切れてしまう。

その森をこの辺りでは、惑わしの森って呼ばれているんだって。

曰く惑わしの森に入っても気がつけば入り口に戻されてしまう。

曰く昔の領主が惑わしの森を開拓しようとしたらオーディヌスのお城と領主の屋敷に大きな雷が落ちた。

曰く森の主に認めれた商人のみが、森の奥に入れて巨万の富を得る事が出来るが、主の事を他人に話すと全てを失ってしまう。

 

「プルングの嬢ちゃん、こんな怪しい話を信じるのかよ」


普通ならそう思うよね。

でも目指す相手はロッキさん。

あの人なら森に塔を隠しても、お城に雷を落としても不思議じゃない。

それに私はロッキさんの試験に合格している。


「怪しいから確かなんです。ロッキさんは、そう言う人ですから」



side ガーグ


聞いた話の通り、惑わしの森は鬱蒼と木々が生い茂っていた。


「昼間だってのに、まったく陽が届かねえな。…セシリー精霊の声は聞こえるか?」


「ガー君も不思議に思った?普通、これだけ深い森なら精霊がいても不思議じゃないんだよね。…むしろ精霊が全然いない方が不思議だよ」



精霊いないってより、何かに怯えて近づけないのかもな。

俺達の疑問を余所に、プルングの嬢ちゃんはズンズンと森に分け入っていく。


……何だよ、これは。


森を抜けたと思ったら整備された道に出た。

道の向こうには森の外からは見る事が出来なかった高い塔。

そして木と木の間には

"いらっしゃいませガーグ冒険者隊のみなさん:伝説のスーパー魔導師ロッキ"

と書かれた横断幕が張られていた。


ザイツ、お前の師匠って何者なんだ…


「これはこれは、メリーさんお久しぶりですね。そうしてようこうそいらっしゃいませ、ガーグ冒険者隊の皆様。私が魅惑のスーパー魔導師ことロッキ・バルボーです」


話し掛けてきた男の年は、50才くらいだろう。

ザイツ、お前の師匠怪し過ぎるぞ。

体型は、細いが筋肉質。

しかし、オレンジ色のシルクハットにオレンジ色のジャッケット、ズボンも靴もオレンジ一色ってなんだよ。


「ロッキさん、お久しぶりです。コウサがコウサが…」


「メリーさん大丈夫ですよ。さぁガーグ冒険者隊の皆様も私の塔へどうぞ。中でゆっくりとお話をしましょ」


「失礼ですが、その前に質問があります。あの惑わしの森には一体どんな仕掛けがしてあるんですか?」


イントルも目の前の怪しい男を警戒しているんだろう。


「トロルさん、違いますよ。惑わしの森じゃなく魔導師の森なんですよ。惑わしの森を抜けて魔導師に出会って戸惑いました?」


なんでコイツはトロルだと分かったんだ?


「いや、ですからどんな仕掛けがあったのかをお聞きしているのですが」


「むー、皆様は本当に功才君のお仲間ですか?ロッキさんが魔導師、惑わし、戸惑いと3つも掛けたレジェンド駄洒落に気付かないなんて紳士失格ですよ」


イントル、駄目だ。

これはまともに討論できる相手じゃない。


「俺の名前はガーグ、ガーグ・エルフィンローズだ。あんたがザイツの師匠なんだな?」


「そうですよ、エルフの王子様。私が功才君が尊敬して止まない心優しいお師匠様ですよ」


ザイツ、お前の師匠は突っ込み所しかねえぞ。


「ところでメリーさん、ここに来たって事は答えも覚悟も出来ているんですよね」


その言葉を言った途端にロッキの雰囲気が変わった。

…くっ、上級精霊なんざ比べものにならねえ迫力じゃねえか。

この俺がビビって動けねえ。


「覚悟は出来ています。答えは6と7ですよね」


プルングの嬢ちゃんは、その迫力に負けずに答えた。


「はい、正解です。さぁ塔の中へどうぞ」



side メリー



「さあ、メリーさん貴女のだした答えを聞かせて下さい」


「ロッキさんがくれたブレスレットにある5と6のボタンを押して出来上がる矢があればコウサに届きます。でもそれだとコウサを連れて帰れないんですよね」


「いえ後は私にお任せください。メリーさん、コウサ君が帰らないと言ったらどうします?コウサ君に新しい恋人がいたらどうします?コウサ君が貴女の事を忘れていたらどうします?それでも異世界にわたる覚悟はありますか?」


私の答えは決まっている。


「どんな結果であっても後悔はしません。コウサに会いたいんです」


「分かりました。それじゃこれを差し上げます」


ロッキさんが差し出して来たのは真っ黒な魔石。


「それがあればコウサ君と一緒に戻ってこれますよ。それとこれをコウサ君に渡して下さい。これはある龍の鱗を加工した物です。説明書も付けておきますね」


「しかしロッキさん、矢だけで異世界に渡れるのですか?」


イントルさん…そうだよね、矢だけが届いても意味がないんだよね。


「大丈夫ですよ。そこもお任せ下さい。これです!」

ロッキさんが指さす先にあったのは細長い板。


「このサーフボードって板に乗ってもらえば結界が発動します。その結界に向けて矢を射ればオッケーですよ」


コウサ待ってて、今行くね。


次話でいよいよ再会?

まだ書いてませんけど

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