ザコ戻ってくる 姉妹による尋問
諸事情により書きためを更新します
side 功才
「功才、今までどこで何をしていたの」
ただ今、姉ちゃん達の控え室で尋問中です。
でも異世界で冒険者をしていました。
そんな事を言ったら、信じてもらえないばかりか、怒られるよね
「なんつーか説明がしにくい場所なんだよな」
飛行機で行ける訳ないし
「それで何でいきなり帰って来たの?しかも都合良く私達の前に」
それは完全に不可抗力なんだよな
「それは俺が知りたいぐらいだよ。いきなり知らない公園にとばされて姉ちゃん達が野外トークショーをしていて、後は見ての通りとしか」
「功才ぜ・ん・ぶ正直に話しなさい」
「信じないと思うけどな…」
俺は姉ちゃんと美才にオーディヌスでの出来事を話した。
話す程にお姉様の目線が冷たくなるのが分かります。
「アンタねえ、もう少しましな嘘を」「お兄ちゃん、美才に魔法を見せてっ」
美才お兄ちゃんは信じてくれて嬉しい様な、お前の将来が心配な様な複雑な心境だよ
「それなら分かりやすいやつがいいか。……アイスキューブ」
空中で10個程の角氷が出来て床に落下した。
「お兄ちゃん、それで終わり?」
いや、美才マジックショーじゃないんだから。
「他にもあるけど、物の重さを変えたり、刃物を鋭くしたり、先みたいに人を転ばしたり痺れさせるくらいだよ。かなり使い難いし分かりづらいんだよ」
「一応信じるとして、メリーちゃんはどうしたの?彼女に黙って消えたの?」
「仕方ねえだろ!メリーを守りたかったんだよ。どこにとばされるか分からないのにメリーを巻き込む訳に行かないだろ」
次の瞬間、俺の頭に鈍い痛みがはしった。
「いってー。何だよ姉ちゃん拳骨はないだろっ」
「この馬鹿功才、何でメリーちゃんに着いて来いって言わなかったのよ。アンタに彼女が出来る奇跡なんてもうないのよ」
悔しいが反論できない。
メリーみたいな最高の女はいる訳ないんだし。
思わず指のペアリングを撫でていると
「あーっ、お兄ちゃん本当に指輪しているー。美才が泣いて心配してたのに彼女さんとイチャイチャしてたんだー」
「それでメリーちゃんって、どんな娘なの?功才の妄想じゃないわよね」
「んだよ妄想って。2人で撮った写メもあるよ」
side 栄華
功才が携帯の写メを見せてきた。
「うそっ、これがメリーちゃん?功才騙されてないわよねっ」
写メの少女は芸能界にも中々いないぐらいの美少女だった。
「お兄ちゃん、美才にも見せなさいっ。な、なにこれ不潔っ、こんなにくっついて。これなんてホッペにチューまでして。お兄ちゃん信じれないっ」
美才が怒った写メには、照れている功才と幸せそうな笑顔のメリーちゃんが写っていた。
「どうやら妄想でも嘘でもなさそうね」
「妄想や嘘ならどれだけ楽だったろうな。姉ちゃん達に会って、ここは日本でオーディヌスじゃないと分かって。ここにはメリーがいないと分かったら苦しくてしょうがないんだよ。メリーに会えないのも、メリーが悲しんでいるのに何も出来ないのも」
功才はそのまま押し黙ってしまった。
メリーちゃんに本当に惚れていたのね。
「ここで落ち込んでいても仕方ないでしょ。功才はこれからどうする気なの?」
「とりあえず魔法を大道芸って言って金を稼いで、いつ向こうに行っても良い様に色々な知識や技術を身に着けるつもりだよ」
戻る気は満々か、功才が自分の意見をここまで主張するなんてね。
「わかったわ、お姉ちゃんも出来るだけ協力してあげる。先ずはロッキって占い師を訪ねてみたら?私と美才はその人から功才の事を聞いたんだし」
side 功才
ロッキて占い師?
「ちょっ、ロッキって師匠?ったくあの人はどれだけ規格外なんだよ。駄目だよ、あの人は必要なら自分から姿を現す人だから……そうか師匠は喚べないんじゃない、喚ばないだけなんだ」
多分、メリー達に俺を迎えに来させる腹積もりなんだろう。
だからあの魔法を教えたのか。
それなら、こっちで得れる知識や技術を習得しまくってやる。
side ガーグ
塔から出た俺達はあてがわれた宿屋に向かった。
プルングの嬢ちゃんは泣くでもなく、叫ぶでもなく虚ろな目でザイツの名前を呟き続けていた。
「セシリー、プルングの嬢ちゃんの様子はどうだ?」
セシリーはゆっくりと首を振り
「精神的な負担が大きすぎたわね。スリープの魔法で強制的に寝かしつけたわ。今はハンナちゃんが側についてる」
「プルングの嬢ちゃんが落ち着き次第、次の動きを決める。ザイツを連れ戻すんだ」
糸みてえに細い手掛かりでも、絶対に手繰り寄せてみせる。
side 功才
さて、これからどうするか。
実家に戻るべきか、爺ちゃんの家に行くべきか。
実家のプラス面は情報収集をするにも知識を得るにも便利が良い事。
マイナス面は親父が認めない可能性が高いし、勇牙を始め知り合いが多過ぎる。
逆に爺ちゃん家は周りに知り合いが少ないけども、知識を得れる場所が図書館に限定される事か。
「姉ちゃん、俺の事は誰がどれだけ知ってるの?」
「アンタが行方不明って知ってるのは父さん・母さん・お爺ちゃん・お婆ちゃん・功才の学校の先輩山田さんに貴男の幼馴染みの4人の計9人よ。最低お爺ちゃんとお婆ちゃん、山田さんには報告をしておきなさい」
「分かった、親父とお袋はどこにいるんだ?」
「安心しなさい、2人共海外ロケに行ってしばらく帰って来ないから」
「お兄ちゃん、美才久しぶりに卵焼きが食べたいな」
それなら実家に戻って、山田先輩と彼奴等にも顔を見せておくか。
活動報告にも書きましたが埼玉か東京に住んでいる方 知恵を貸して下さい
青森の田舎者がネットで調べても限界があるんです