ザコのエルフィン滞在記 塔の試練へ向けて
とうとう80話
ザコは何話まで続けれるでしょうか
100は越えたいですけど
side 功才
「メリー、次の依頼の話は聞いた?」
俺としては
"コウサ、無理しちゃ駄目だよ"
とか
"ガーグさんとセシリーさんの応援をしよう"
とか言ってくれたら嬉しいんだけども
「うん、楽しみだよねー。ハンナ達やセシリーさん達には負けれないんだから!」
気合いが十分な訳ね
「セシリーさんの参加は決まったのか?」
あの朴念仁なガーグさんがセシリーさんを誘ったの?
「まだみたいだよ。でもセシリーさんは意地でも一緒に行くって話てたし」
「しっかし何の為に、こんな試練をするんだろうな?成功した人達は良いけど失敗したら目も当てられない結果になるだろ?」
恋人同士に貴方達には絆はありませんって結果がでたら別れちまうだろ
「何でも昔エルフの間で身分違いの恋をしたカップルがいた時に使われたんだって。ガーグさんの曾お祖父さんとシャルレーゼ様も挑戦したみたいだよ」
「試練内容は内緒だろうな。こりゃガーグさん達に助け船をだす余裕はないんじゃないかな」
つうか小技や姑息な手が通じないと、どうしよう。
side ガーグ
「はぁー、どうすっかな」
曾祖父さんに尻を叩かれてセシリーを誘う決心はついたが今更なんて、誘えばいいんだよ。
「これはまた随分と大きな溜息ですね。ガーグさんらしくないですよ」
「イントルか、俺にも色々あるんだよ」
「それは皆一緒ですよ。それで溜息の原因はセシリーさんの誘い方がわからないって所ですか?」
ったく、昔は恋愛には縁がないとか言ってた癖に、ハンネスの嬢ちゃんと仲良くなってから妙に鋭くなりやがたっんだよな。
「まあな。何を言っても取り繕った嘘の言葉になりそうな感じがしてな」
好きだ、愛してる、大切だ、どれも当たっているがなんかシックリとこない。
「意識をし過ぎてるじゃないんですか?
普段のガーグさんの言葉で誘えばいいじゃないですか?」
普段の俺ね。
「お前はどうやって誘ったんだよ」
「私ですか?私はハンナに誘われたんですよ。身分も克服できる塔ならば種族も克服できる筈ですってね」
こいつも、ザイツと一緒でしっかりと手綱を握られてんな。
「相変わらず堅苦しい会話をしてんな」
「それが私とハンナの普段の会話ですから」
イントルがナンパな言葉をしゃべる訳ねえか。
「俺とセシリーの普段の会話か。ガキの頃から憎まれ口しか叩いてなかったからな」
一緒に絆を確かめに行こうなんて言える訳がねえ。
「色々と考え過ぎじゃないですか?もっとシンプルに考えたらどうです?ガーグさんが、お洒落な口説き文句なんて言ったら大雨になっちゃいますよ」
「だよな、イントルありがとな。とりあえずセシリーと話をしてくら」
幸いと言えばいいのか、俺に心の準備をする時間くれなかったと言えばいいのか、探して直ぐにセシリーを見つける事ができた。
「セシリー、次の依頼は俺に手を貸してくれ。頼む」
「ガ、ガー君、本当に?もうキャンセルは効かないからね」
ったく涙目なんかに、なりやがって。
「キャンセルなんざする気はねえよ。これからもよろしく頼む」
続きの言葉は塔から出たら伝えよう。
side 功才
塔は外から見る限りは5階層。
でも入り口が全く見えない、つまり出口もないって事。
「あの塔自体に魔法が付与してあるんですよ。だから出れる時は成功した時か失敗した時だけなんですよ」
ミッシェルさんは自分は塔に入らないからって、爽やかに物騒な事を言ってくれちゃって。
「一組ずつ挑戦して行くんですか?」
そらなら最後が良いな。
「3組同時にスタートしてもらいますよ。入り口は塔が認めたカップルにのみ現れるとの事です」
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
俺とメリーが近づいたら何にもなかった壁に入り口が現れた。
「うん、当たり前だけど嬉しいね。メリーとコウサは魔法の塔公認のカップルなんだから」
いやー、俺としては猿人族だから入り口が出なかったのパターンに期待してたんだけど。
塔自体はレンガで作れていて床は普通に石畳で一本道。
試練会場に真っ直ぐに行けとおっしゃるんですね。
一本道を進むと、あからさまに怪しい部屋にたどり着いた。
「ここが最初の試練会場か。メリー入るよ」
「コウサ手を繋いでいい?コウサと一緒ならどんな試練も乗り越えれると思うから」
「俺もだよ。さて行きますか」
俺はメリーの暖かさを感じながら真っ暗な部屋に進んでいった。
side イントル
「イントル、ここが試練の間かな?」
ハンナはいつの間にか、私の前でだけ可愛らしい話し方をしてくれる様になっていました。
「でしょうね。エルフが挑戦をためらう試練ですか」
身分を越える為の試練だから易しい物ではないでしょう
「大丈夫。自分とイントルは身分よりも越えがたい種族の壁を越えてきたんだよ。エルフの試練なんて目じゃない」
最初会った時は粗暴な女戦士と思っていたんですけども。
今の貴女は私に不思議な安心感を与えてくれます。
side ガーグ
ここだな。
「ガー君この部屋で試練を受けるんだよね」
「だろうな、中から精霊の臭いがしていやがる」
「さすがはガー君見た目はエルフっぽくないけど中身はちゃんとエルフなんだから」
それは褒めてんのか?
「気をつけろよ。人を試練するのを好む精霊なんざ性格が知れてるからな」
合格者に祝いを不合格者には失格の烙印を上から目線でよこすなんざ気にくわねえ。
試練の内容によっては取り壊しだな。
「どんな試練でもどーんと来いだよ。私は身分差恋愛の達人なんだからっ」
セシリーは強いよな。
俺みたいに自分の気持ちから逃げたりしねえ。
俺もきちんて向き合うか。
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